脳出血で2番目に多い! 視床出血の病態と症状とは!?

こんにちは!マヒリハの佐藤です🌞脳出血箇所で多い視床について解説していきます!

視床とは?

視床とは、脳の間脳と呼ばれる部位に属しています。
さらに、嗅覚を除く聴覚や視覚、その他様々な感覚を、大脳新皮質へ繋げる重要な場所です。
視床は、脊髄や脳幹から受け取ったあらゆる情報を、上の大脳皮質へ繋げています。
また、脳幹でまとめられたバランスの情報や、あらゆる感覚が、この視床を経由し大脳皮質へ運ばれています。

生活の中での視床の機能とは?

人は、身体を動かすとき、脳から指令を送り、自分の意思で身体を動かしています。
また、物を掴む動作を例に挙げると、物の形状を確認し、持ち方や挙げ方を無意識下に考え、動作を実行しています。
次に、物を持ち続ける動作として、手で把持をしながら落とさないようにする、または手の平でバランスを取る。
これは、手の皮膚に触れる感覚や、それぞれの関節の位置情報を得て、手のコントロールをしています。
この視覚情報と、手の感覚は、どちらも必要な情報です。
さらに、手探りで対象物の質感や、形状、大きさや重さを理解し、初めて、対象物の持ち方を頭で構想することが出来ます。
目をつむった状態で、手のひらに置いたボールを落とさないようにすると、すごく難しい作業になってしまいます。

人は無意識のうちに、動作一つの中で、視覚から得た情報や感覚を統合した上で、効率的に動作が行われています。

体性感覚は、下の図1の大きく分けて三つに分類されます。

視床は、これらの体性感覚や、バランスを保つための情報をまとめ、大脳皮質へ情報を送っています。

役割は?

視床といっても、一つの部位が単一の機能を担っている訳ではなく、部位により機能が異なります。脳出血においても、血種がどの部位を阻んでいるかにより、障害される機能も異なってきます。
また、脳卒中において、起こったときや直後は、覚醒が低下したままなことや、回復しても短期間の記憶が曖昧なケースが多々あります。
この視床においても、後方に血種が行き届いてしまうと覚醒レベルの低下が顕著にみられるケースがあります。
さらに、他にも、部位により視覚、聴覚、痺れや感覚異常など、後遺症として生じるケースが多いです。

視床出血の症状

脳卒中の病型は、脳卒中データバンクによると、脳出血の割合は全体の18.5%を占めます。
さらに、脳出血部位の割合は、被殻(29%)、視床(26%)、皮質下(19%)、脳幹(9%)、小脳(8%)という順番になっています。
また、脳出血の中でも、被殻出血、視床出血を呈する割合は高く、リハビリを必要とする方の中でも、両者を担当させて頂くことが非常に多いです。
被殻と視床は近い部分にあります。中大脳動脈は、脳の側方を流れ、そこから細かい分岐した血管が破裂することで、被殻や視床部位に出血が起こります。
この出血が固まり血種となったものが、手術で除去を行わない場合は、脳内に残ります。この血種の大きさにより、予後はある程度決まってきます。具体的に、視床出血では、血種量が10mLをこえると、予後が不良という結果が出ています。

後遺症の種類

①運動麻痺

感覚障害

③運動失調

④視床痛

視床特有の感覚障害もですが、この麻痺側には視床痛と呼ばれるし、慢性的な痛みがみられるケースがあります。

⑤眼球障害

視床には、眼球運動と呼ばれる、眼の周囲についている細かい筋肉を、コントロールする機能があります。血種により、その機能が障害されると、以下の縮瞳、上方注視麻痺、内外方視、共同偏視、開散外方視などの眼の症状がみられます。

リハビリ内容

視床出血といっても、血種の大きさにより麻痺のレベルや、後遺症は様々です。脳血管疾患のリハビリアプローチは、個別性が強く、共通した方法が全ての方にとって有効とは言い切れません。
ここでは、今まで視床の働きから、実際の視床出血の後遺症に対して、実際に有効なアプローチ方法をいくつ挙げていきます。

覚醒状態を上げる

覚醒度合いも、特に視床に影響された部位によって、度合いが異なりますが、共通して覚醒を上げる働きをすることがリハビリでは可能です。

まず、運動量を総じてあげていくこと。運動量を上げることで、当然のことですが、脳内の血流量は多くなり、注意や反応が改善されます。

注意障害や、半側空間無視が併発していれば、なおさら、課題の中でもたくさんの視覚的な刺激や、感覚的な刺激を与えることで、覚醒や注意力をあげるアプローチはたくさんあります。

リハビリ課題や運動のシーンに限らず、本人の好きなこと、注意が向きやすいことを行うことも、覚醒を上げる一つの手段です。

好きな音楽を流す、好きなスポーツなど簡単にできるアクティビティーを行う。好きなものに対して心が動きやすいように、身体を動かしやすくする環境づくりも非常に大切です。

感覚に対してのアプローチ

視床は、様々な感覚が統合し、大脳皮質で運動へと変換されるための大切な中継地点になります。

視床出血後の後遺症として、感覚異常やバランス機能を含めた感覚が捉えづらくなることが特徴です。

運動麻痺により弱くなった筋力に対し、筋力向上を図るリハビリもそうですが、それを実用的に使えるようにするために、感覚障害に対してのアプローチは必須となります。

皮膚の感覚が鈍くなってしまっている部分に対し、床反力による荷重感覚や、物に触れることで、感覚を入れる方法があります。

視床出血後遺症で、感覚が大きく障害されているという問題があっても、鈍くなっている部分を少しずつ動かすことで、筋力強化や、動作獲得へと必ずつながっていきます。

時間をかけても、改善が見込めることが、リハビリの強みとしてあります。

バランス訓練

人それぞれ、麻痺のレベルから獲得すべき日常生活レベルも広がりがあると思いますが、特に何かを一人で自立して行う、または介助量をできるだけ少なくしていくためにも、バランス機能を上げるリハビリは必須です。

視床出血では、脳幹で統合されたバランスの情報が障害されてしまうため、先ほど述べた感覚障害も含めて、克服していくために非常に大切な訓練の一つです。

感覚障害に対してのアプローチや、半側空間無視、注意障害など、高次脳機能障害が併発しているケースは特に、バランス機能に対して弱い部分を少しずつ克服していく必要があります。

このバランス機能を改善していくプロセスで、大切なことは、残存している機能を上手に活用していくことが、成功への鍵です。

それぞれの難易度に合わせた課題をこなしていく過程はそれぞれありますが、弱点としてみられる障害に対して、細かくアプローチを行っていくことが、リハビリの中で非常に大切です。

ブログ監修者

脳梗塞Labo マヒリハ 柏の葉店店長 原田 涼平理学療法士 認定理学療法士(脳卒中)

脳梗塞Laboマヒリハ柏の葉店店長の原田です。地域でお困りになっている方や不安を感じている方を一人でも多く救えるよう、保険外だからこそできる量と質を担保したリハビリを行っております。リハビリをご希望の方はお気軽にご連絡ください。

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