「痙縮(けいしゅく)の原因とメカニズムを解説|脳卒中後の手足のつっぱりはなぜ起こる?」
ブログ監修者

脳梗塞Labo マヒリハ 柏の葉店店長 原田 涼平理学療法士 認定理学療法士(脳卒中)
脳梗塞Laboマヒリハ柏の葉店店長の原田です。地域でお困りになっている方や不安を感じている方を一人でも多く救えるよう、保険外だからこそできる量と質を担保したリハビリを行っております。リハビリをご希望の方はお気軽にご連絡ください。
こんにちは!マヒリハの原田です🌞
脳梗塞や脳出血の後遺症で、
「手が握り込んだまま開かない」
「歩こうとすると足首がピンと伸びて突っかかる」といった症状に悩んでいませんか?
この勝手に筋肉が硬くなる現象を、
専門用語で「痙縮(けいしゅく)」と呼びます。
「リハビリをしたいのに、力が入りすぎて動かせない…」
「無理に伸ばそうとすると痛い…」
そんなもどかしい思いをされている方へ。
今回は最新の医学に基づいた痙縮の正体を、
どこよりも分かりやすく解説します!
1. 痙縮(けいしゅく)の正体は 「ブレーキ故障」
私たちの体は、脳からの命令で筋肉を動かしています。
健康な時、筋肉には「勝手に縮まないようにするブレーキ」が常に効いています。
しかし、脳卒中で脳の神経がダメージを受けると、
このブレーキが壊れてしまいます。
その結果、筋肉が勝手に「常に全力投球!」という状態になってしまう。
これが痙縮の正体です。

2. なぜ筋肉が勝手に縮むの?
最新では、痙縮は単なる「筋肉の硬さ」ではなく、
伸張反射(しんちょうはんしゃ)」の暴走であると定義されています。
① 伸びたら縮む 「防衛反応」の暴走
私たちの筋肉には、急に引き伸ばされた時に断裂を防ぐため、
勝手に縮もうとするセンサー(筋紡錘)があります。
これを「伸張反射」と言います。
通常、脳はこの反射を「今はそんなに縮まなくていいよ」と抑えていますが、
脳卒中後はこの抑制(ブレーキ)がなくなります。
② 脊髄の 「ボリューム設定」が最大に
脳からの指令が届かなくなると、
脊髄(背骨の中の神経)にある運動神経の感度が異常に高くなります。
例えるなら、「テレビの音量つまみが最大で固定され、少しの刺激で大音量が鳴り響く」
ような状態です。
③ 「速さ」に反応する罠
痙縮には大きな特徴があります。
それは、「速く動かそうとするほど、強く反発する」という性質です。
リハビリで介助者が急に手足を伸ばそうとすると、
脳が「攻撃された!」と勘違いして、さらに強く筋肉を固めてしまうのです。
3. 放置すると「筋肉が短くなる」二次的変化
痙縮は放っておくと、神経の問題だけではなくなります。
最近では、筋肉そのものの変化についても重要視されています。
筋肉の短縮: 常に縮んだ状態が数ヶ月続くと、筋肉の繊維自体の数が減り、物理的に短くなります。
関節の拘縮:関節の周りの組織が固まり、まるで「接着剤で固められた」ように動かなくなります。
こうなると、ボトックス注射やリハビリの効果も出にくくなってしまいます。
「硬くなり始めた時」こそ、正しい対策を始める絶好のタイミングなのです。
4. 痙縮を和らげるための3つのステップ
痙縮への正しい向き合い方をご紹介します。
ステップ1:ゆっくり、じっくり伸ばす
急なストレッチは逆効果です。
深呼吸をしながら、
筋肉のセンサーが反応しないくらいの「超スローペース」で伸ばすことが、
脳をリラックスさせるコツです。
ステップ2:ボツリヌス療法(注射)との併用
筋肉の緊張を和らげる注射(ボトックスなど)は非常に有効です。
ただし、注射はあくまで「筋肉を緩める」だけ。
緩んだ瞬間に、正しい動きをリハビリで学習させることが、長期的な回復には不可欠です。
ステップ3:拮抗筋(きっこうきん)を鍛える
「曲がる筋肉」が硬いなら、
その反対側にある「伸ばす筋肉」を働かせる練習をします。
反対側の筋肉が働くと、脳の仕組み(相反抑制)によって、
勝手に硬くなっていた筋肉に「休め」という命令が届きやすくなります。

5. まとめ|あなたの筋肉は 「頑張りすぎている」 だけ
痙縮は、あなたがサボっているわけでも、治る気がないわけでもありません。
脳が体を守ろうとして、少し「頑張りすぎてしまっている」状態なのです。
メカニズムを正しく理解し、科学的なリハビリを行えば、
つっぱりを軽減し、楽に動ける体を取り戻すことは十分に可能です。
マヒリハでは、あなたの痙縮が「どの神経の暴走」で起きているのかを徹底的に評価し、
お一人おひとりに合わせたリハビリを提供しています。
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