【これさえ読めば大丈夫】パーキンソン病の評価

千葉県柏市のリハビリ施設「脳梗塞Laboマヒリハ柏の葉店」です。こちらのページでは、パーキンソン病のリハビリに関して「パーキンソン病の評価」というテーマでブログを執筆しています。

 

パーキンソン病の症状やリハビリについての情報はネットにも多くみられ、当院のブログでも以前掲載させていただきました。

パーキンソン病について解説

【認定理学療法士監修】パーキンソン病について解説!

しかし、パーキンソン病の評価について網羅的に取り扱っている媒体は少ないのが現状です。

パーキンソン病の評価は、症状などを正確に把握し、最適な治療法を選択するために極めて重要です。適切な評価によって病気の進行度や特徴を把握し、患者の生活の質を向上させるための適切な介入を行うことが可能となります。

そこで今日は、パーキンソン病の評価について網羅的に説明していこうと思います。

評価項目

1. 臨床的評価

その方の病歴を聞き、身体検査と神経学的検査を行います。

パーキンソン病の主な症状には、振戦(震え)、無動(動作の遅さ)、固縮(筋肉の硬直)、姿勢の不安定などがあります。

パーキンソン病の運動障害について解説【認定理学療法士監修】パーキンソン病の運動障害を解説!

それらがどの程度みられているのかを確認していき、パーキンソン病がどの程度進行しているのかを把握していきます。

2. Yahr分類

この分類はパーキンソン病の進行度を示すものでstage1からstage5までの段階があります。

stage1:体の片側だけに手足のふるえや筋肉のこわばりがみられる。
体の障害はないか、あっても軽い。

stage2:両方の手足のふるえ、両側の筋肉のこわばりなどがみられる。
日常の生活や仕事がやや不便になる。

stage3:小刻みに歩く、すくみ足がみられる。方向転換のとき転びやすくなるなど、日常生活に支障が出るが、介助なしに過ごせる。
職種によっては仕事を続けられる。

stage4:立ち上がる、歩くなどが難しくなる。生活のさまざまな場面で、介助が必要になってくる。

stage5:車いすが必要になる。ベッドで寝ていることが多くなる。

パーキンソン病の進行を説明するために広く使用されています。

3. UPDRS

この評価はパーキンソン病の長期的な経過を追跡するために用いられます。

パーキンソン病の重症度や進行度を測定するために用いられる包括的なツールです。UPDRSの各パートは、『パートI:精神、行動、気分』、『パートⅡ:日常生活動作(ADL)』、『パートⅢ:運動検査』、『パートⅣ:合併症』に分けられ、得点が高いほど症状が重いことを示します。

しかし、UPDRSは総スコアだけに着目しないようにしましょう

UPDRSの各項目は、患者さんの状態のさまざまな側面から検査します。そのため個々の項目のスコアも重要な意味を持ちます。

例えば、総スコアが低くても、姿勢、歩行、姿勢安定といった特定の症状に深刻な問題がある患者さんがいるかもしれません。したがって、UPDRSは単なる数値ではなく、『総合的な評価ツール』として使用する必要があります。

4. 運動機能評価

主に動作の遅さや振戦、固縮の程度を評価します。具体的には、指を叩く速さや急速な運動の切り替え、姿勢の安定性、歩行などが評価されます。

評価

5. 非運動症状の評価

睡眠障害や気分の変化、嗅覚障害など、運動以外の症状も評価されます。

6. 神経画像検査

MRIやCTスキャンなどの画像検査は、他の病気の可能性を除外するために使用されます。また、DaTscanと呼ばれる特殊な画像技術もありますが、利用が限られています。

7. PETとSPECT

パーキンソン病で影響を受けやすい脳内のドーパミン系を評価するための高度な画像技術ですが、臨床現場ではあまり使われていません。

ドーパミンについては以下の記事で解説していますのでご参照ください!

【認定理学療法士が解説】パーキンソン病の有効性を示す薬剤6選【認定理学療法士が解説】パーキンソン病の有効性を示す薬剤6選

8. 神経心理学的検査

パーキンソン病の後期には認知機能の障害が起こることがあるため、認知機能を評価するために用いられます。

 

最後に

パーキンソン病は個人によって症状や進行度が異なるため、これらの評価方法は患者の状況に応じて組み合わせて使用されます。

また、個々の患者様に対して最適な治療計画を立てる上で不可欠なものとなります。

一度、専門家にお体の状態を検査してもらうのはいかがでしょうか?

マヒリハでもパーキンソン病の検査を行っておりますので、お気軽にご連絡くださいませ。