【認定理学療法士監修】パーキンソン病の運動障害を解説!

こんにちはマヒリハの原田です!

当院ではパーキンソン病の方もご利用されております。

そこで、今回はパーキンソン病の運動障害を中心に解説していこうと思います!

脳

パーキンソン病とは

パーキンソン病は、大脳の下に位置する「中脳」にある「黒質」のドパミン神経細胞の変性を主体とする、進行性の変性疾患です。ドパミン神経細胞は、脳内で情報の運搬役を担い、運動、学習、感情、意欲、ホルモンの調節に関わっています。

この疾患は幅広い年齢層で発症し、50歳代から60歳代での発病が一般的です。しかしまれに40歳以下での発病もあります。その患者数は10万人に100人から150人とされ、高齢者ほどその割合が高く、人口の高齢化に伴い増加しています。

 

パーキンソン病の運動障害

パーキンソン病は振戦、固縮、無動・寡動、姿勢反射障害など、さまざまな症状を引き起こす進行性の神経変性疾患です。

1. 振戦(しんせん)

安静時に多く出現し、手や指の細かい振動や震えのことを指します。通常、4〜6Hzの比較的ゆっくりしたリズムで現れ、手や上肢、下肢などに始まり、次第に拡大していきます。

特に、手指でピルを丸めるような動き(ピルローリング)が挙げられます。さらにこの症状は病気の進行とともに進行し、頭部や首にも広がることがあります。

2. 固縮(こしゅく)

固縮は、筋肉の硬直や緊張感を伴う症状で、パーキンソン病の方によく見られます。特に手関節や肘関節などの関節が固まり、動かしにくくなります

この症状は鉛管様固縮や歯車様固縮として現れ、手指や足趾の関節変形を引き起こすこともあります。また、病気の進行に伴い、他の部位にも固縮が広がることがあります。

3. 無動・寡動(むどう・かどう)

無動・寡動は、運動麻痺や動作の開始に時間がかかる症状を指します。患者は動作を開始するのに困難を感じ、動作が緩慢であり、完全に遂行することが難しい場合があります。

また、日常生活の中での動作緩慢顔の表情の乏しさ声の小ささなども無動・寡動の徴候として現れます。

さらに、歩行時には一歩目の踏み出しや方向転換が困難になることもあります。

4. 姿勢反射障害(しせいはんしゃしょうがい)

姿勢反射障害は、パーキンソン病の進行に伴って現れる症状で、体の姿勢を維持することが困難になります。座っている際に姿勢を維持できず、前や後ろに倒れることがあります。

また、歩行中に重心が前方に移動し、突進歩行や転倒のリスクが高まることもあります。この症状は、患者の安全性や生活の質に影響を与える可能性があります。

歩行器歩行

まとめ

以上が、パーキンソン病における振戦、固縮、無動・寡動、姿勢反射障害の主要な徴候です。

これらの症状は、患者の日常生活に大きな影響を与えるため、早期の診断適切なリハビリが重要です。また、家族や医療チームとの連携が必要であり、患者がより快適な生活を送るための支援が求められます。

特に退院後はお家にいる時間も多くなり、刺激が入らないとどんどん進行してしまう可能性もございます。

保険のリハビリでリハビリの量が足りないようでしたら、『自費リハビリ』で外に出る機会を作るのも一つの手かと思います。