【認定理学療法士監修】パーキンソン病について解説!

【パーキンソン病とは】

パーキンソン病は、大脳の下に位置する「中脳」にある「黒質」のドパミン神経細胞の変性を主体とする、進行性の変性疾患です。ドパミン神経細胞は、脳内で情報の運搬役を担い、運動、学習、感情、意欲、ホルモンの調節に関わっています。

この疾患は幅広い年齢層で発症し、50歳代から60歳代での発病が一般的ですが、まれに40歳以下での発病もあります。その患者数は10万人に100人から150人とされ、高齢者ほどその割合が高く、人口の高齢化に伴い増加しています。

この疾患には、「運動障害」と「自律神経障害」、「精神症状」の3つの主な症状があります。

【パーキンソン病による運動障害】

パーキンソン病による運動障害には、振戦、固縮、無動・寡動、姿勢反射障害の4つの主要な徴候があります。

このうち、初期症状としては振戦が最も一般的で(約60%)、次いで歩行障害(20%)、動作緩慢(20%)などが挙げられます。また、時には痛みが初期症状として現れ、運動障害が明らかになるまでしばらくかかることもあります。

運動障害は通常、片側のみから始まり、徐々に進行し、進行期には無動と姿勢反射障害が目立ってきます。長期間の薬物療法を必要とするため、副作用による運動障害にも注意が必要です。

運動障害についてはこちらのブログでも解説していますのでご参照ください!

【認定理学療法士監修】パーキンソン病の運動障害を解説!

パーキンソン病の運動障害について解説

【パーキンソン病による自律神経障害】

パーキンソン病による自律神経障害の中でも最もよく見られる症状は、消化管運動障害(特に便秘)です。また、運動が減ることにより腸内の活動が促進されずに起こっている方も中にはいらっしゃいます。

その他にも、神経因性膀胱、起立性低血圧・食後低血圧、脂顔、四肢浮腫、発汗、嗅覚の異常などがあります。

【パーキンソン病による精神症状】

パーキンソン病による精神症状には、抑うつ症状、認知機能障害、睡眠障害などが含まれます。特に抑うつ症状を併発する方は多く、運動障害が現れる前に抑うつ症状が出ることもあります。

また、一部の患者では幻覚せん妄などの精神症状が薬物療法の副作用として現れることもありますので、それらにも注意が必要です。

薬

【パーキンソン病の治療方法】

パーキンソン病の治療は、薬物療法、非薬物療法、リハビリテーションの3つの柱に基づいています。それぞれの治療法を詳しく見てみましょう。

【薬物療法】

薬物療法は、ドパミン代謝異常に対するもの、ドパミン受容体刺激療法、アセチルコリン神経系抑制療法、ノルアドレナリン補充療法、随伴症状に対する薬物療法などがあります。

特にドパミン代謝異常に対する薬物療法では、ドパミン前駆薬の使用が一般的です。これにより症状の改善が見られますが、副作用も注意が必要です。その他の薬物療法も、症状に合わせて選択されます。

【非薬物療法】

薬物療法が効果が不十分な場合や、副作用が強い場合には、非薬物療法が選択されます。その中には外科的介入細胞移植手術などが含まれます。また、磁気刺激療法電気痙攣療法心理カウンセリング療法なども行われます。

【リハビリテーション】

パーキンソン病のリハビリテーションは非常に重要です。病気による障害や身体機能の低下を防ぐために、薬物療法と併用して行われることが多いです。リハビリテーションには身体評価から始まり、個々の症状に合わせた運動療法や機能訓練が含まれます。

また、パーキンソン病の方は症状が混在している方が多く、『パーキンソン病だからこれをやれば良い』というリハビリは。その方のお身体の状態に合わせてリハビリ内容を変更する必要があります。

車椅子

【まとめ】

パーキンソン病は進行性の変性疾患であり、完治する治療法はまだありません。

しかし、薬物療法、非薬物療法、リハビリテーションなどを組み合わせることで、症状の緩和や生活の質の向上が期待できます。一方で症状が混在するため、その方に合わせた治療介入が重要となります。

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