【認定理学療法士監修】「その体重、再発リスクかもしれません。」 ― 脳梗塞と“肥満症”の本当の関係 ―

ブログ監修者

脳梗塞Labo マヒリハ 柏の葉店店長 原田 涼平理学療法士 認定理学療法士(脳卒中)

脳梗塞Laboマヒリハ柏の葉店店長の原田です。地域でお困りになっている方や不安を感じている方を一人でも多く救えるよう、保険外だからこそできる量と質を担保したリハビリを行っております。リハビリをご希望の方はお気軽にご連絡ください。

こんにちは!
マヒリハの原田です🌞

「体重はちょっと増えたけど、元気だし問題ない」
「太っている=病気、ではないですよね?」

実はその考え、半分正解で半分注意が必要なんです。

今回は、
脳梗塞の再発リスクとも深く関係する「肥満症」について、
よく混同されがちな「肥満」との違いから、わかりやすく解説していきます。

そもそも「肥満」とは?

「肥満」とは、単に体脂肪が多い状態を指します。
実はこれ自体は、病気ではありません

体脂肪量を直接測るのは難しいため、一般的には
BMI(Body Mass Index) が使われます。

BMI = 体重(kg) ÷ 身長(m)²

  • WHO(世界保健機関):BMI 30以上

  • 日本の基準:BMI 25以上

👉 日本では、BMIが25を超えると
糖尿病・脂質異常症・高血圧・脳梗塞などのリスクが急激に高まるため、
より厳しい基準が採用されています。

「肥満症」とは何が違うの?

ここがとても重要です。

肥満症とは、
👉 肥満が原因で、すでに健康障害が起きている状態
または
👉 健康障害が起きる可能性が高い状態

つまり、

太っている + 体に悪影響が出ている
肥満症

ということです。

内臓脂肪が多い状態では、体の中でさまざまな“悪循環”が起こり、
医学的に治療・介入が必要な状態とされています。

肥満が脳梗塞を引き起こすメカニズム

脳梗塞は、
脳の血管が詰まり、酸素や栄養が届かなくなる病気です。

中でも、肥満と特に関係が深いのが
アテローム血栓性脳梗塞

これは👇

  • 動脈硬化で血管が狭くなる

  • そこに血栓ができて詰まる

というタイプの脳梗塞です。

内臓脂肪が増えると何が起こる?

内臓脂肪は、ただの脂肪ではありません。

脂肪細胞からは
アディポサイトカインという物質が分泌されます。

  • 内臓脂肪が増える
    → **PAI-1(血栓を作りやすくする物質)**が増加
    → 血が固まりやすくなる

さらに、

  • 動脈硬化を防ぐ
    アディポネクチンの分泌が低下

結果として、
👉 血管が傷みやすく、詰まりやすい状態
になってしまうのです。

肥満が引き起こす“連鎖リスク”

肥満は、単独では終わりません。

● 耐糖能異常(糖尿病予備群)

血糖値が高い状態が続くと、
血管の内壁が傷つき、動脈硬化が進行します。

● 脂質異常症

LDL(悪玉)コレステロールが増え、
血管の中に入り込みやすくなります。

● 高血圧

血管に強い圧がかかり続け、
血管そのものがダメージを受けます。

👉 これらすべてが
脳梗塞再発のリスク因子です。

今日からできる予防と対策

① 食事を「制限」より「選択」

  • 野菜・果物・魚・大豆製品を中心に

  • 揚げ物・加工食品・甘い飲み物は控えめに

② 無理のない運動を

  • 1日30分程度のウォーキング

  • 歩行が難しい方は、リハビリで代替OK
    「できることを続ける」が一番大切です。

③ 禁煙・節酒

  • 喫煙は動脈硬化を一気に進めます

  • お酒は“適量”を意識しましょう

④ 定期的なチェック

  • 血圧

  • 血糖値

  • コレステロール

「異常が出てから」ではなく
「出る前に気づく」ことが重要です。

まとめ

肥満は、見た目の問題ではありません。
脳梗塞再発の“静かなリスク”になることがあります。

特に「肥満症」は、
早めに向き合うことで未来が大きく変わります。

生活習慣を少しずつ見直しながら、
脳梗塞の再発予防に一緒に取り組んでいきましょう!

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