【認定理学療法士が解説!】突進歩行とは!?

こんにちは!マヒリハの原田です🌞

パーキンソン病の症状の中の1つに突進歩行があります。

歩き出したら止まることが出来ずに、そのまま前に転びそうになった経験がある方もいるのではないでしょうか。

それは、パーキンソン病の症状である突進歩行が原因かもしれません。

そこで今回は、突進歩行について解説していきます。

突進歩行とは!?

突進歩行は、パーキンソン病が進行して起こる歩行障害の一つです。

パーキンソン病には、運動症状と非運動症状があります。

(1)運動症状

・安静時振戦(あんせいじしんせん):何もしていないときに手足がふるえる

・寡動(かどう)・無動:動きが鈍くなる

・筋固縮(きんこしゅく):筋肉がこわばる

・姿勢反射障害:バランスを保つことが難しく倒れやすくなる 

(2)非運動症状

・便秘

・頻尿

・起立性低血圧:立ちくらみ

・睡眠障害

・うつ

・無関心

・嗅覚障害 

歩行障害には、「突進歩行」の他に、最初の一歩が出しにくい「すくみ足」、歩幅の小さい「小刻み歩行」などがあります。

突進歩行は、つんのめるように前かがみの姿勢で、急に小走りになる特徴があります。

また、自分の意志で止まることができず、何かにぶつかって止まるか、あるいは転んでしまうといった状態になり、危険性を伴います。

さらに、方向転換が難しくなり、人に押されるとその方向に突進してしまいます。

日常で歩く

症状が現れたときの注意点

パーキンソン病の突進歩行の症状が現れたときの注意点は、非常に転びやすいため転倒に気をつけることと、転倒のリスクを高める他の症状がないか確認することです。

転んでケガをしてしまうと、しばらく動けない状況になり、リハビリや日頃の活動が制限されてしまいます。

そうすると、筋力が低下し、パーキンソン病の症状を悪化させることになります。

また、突進歩行に限らず、それ以外の症状もあるはずです。単にうまく歩けないだけではなく、歩きたくないと思わせる原因があるかもしれません。

そのため、周表情の変化なども注意して見ておきましょう。気になることを記録しておくと、原因や対処法がわかるかもしれません。

パーキンソン病の突進歩行に他の症状が重なることで、さらに転倒の危険性が高まります。以下のような動きや症状がないか確認しておきましょう。

・すくみ足

・小刻み歩行

・起立性低血圧

・治療薬の副作用によるふらつき

・認知機能障害

突進歩行の対策

パーキンソン病では、薬物治療、外科的治療とともにリハビリを行うことが、症状の改善に有効です。

突進歩行が起こると、非常に転びやすくなります。

また、治療の遅れにもつながるため、転倒を予防する対策が必要です。

(1)リハビリ

パーキンソン病の歩行障害には、視覚刺激や音刺激を利用した歩行訓練が有効です。外からの感覚刺激が歩行リズムを整えます。

歩行訓練は次のようなことに重点をおいて行います。

①腕の振りを大きくする

②歩幅を広くする

③歩行開始と歩行停止

④方向転換 

歩行障害には、聴覚によるリズム刺激が特に効果的です。定期的なリズム刺激法により、良い状態を保てる可能性があります。

リハビリは継続することが大切です。

自費リハビリ画像

2)安全な歩き方

転倒を防ぎ、安全に歩くために、次のようなポイントを意識して歩いてみてください。

①落ち着いてゆっくり歩く

②背筋を伸ばす

③腕を振る

④かかとから着地する

⑤リズムをとりながら歩く

(3)生活の工夫

パーキンソン病の突進歩行で転倒を防ぐためには、生活の工夫も役立ちます。

①滑りにくい靴やスリッパを選ぶ

②自宅に手すりをつけたり、段差を少なくしたりする

③医療・福祉・介護の支援を活用する

④旅行や趣味などで日常生活を楽しむ

 

まとめ

パーキンソン病の症状である突進歩行は、リハビリや生活の工夫で改善し、転倒を防ぐことができます。

転倒が原因となり、その後生活が上手く行かないケースが多々あります。パーキンソン病の症状である突進歩行はとても注意が必要な症状です。

転倒予防を行う上でも、まずは専門家に相談することが大切です。

なにかお困りなことがございましたらマヒリハにご相談ください。