【認定理学療法士監修】視床出血とは? 〜“見えない中枢”が担う感覚とバランスの秘密〜
ブログ監修者

脳梗塞Labo マヒリハ 柏の葉店店長 原田 涼平理学療法士 認定理学療法士(脳卒中)
脳梗塞Laboマヒリハ柏の葉店店長の原田です。地域でお困りになっている方や不安を感じている方を一人でも多く救えるよう、保険外だからこそできる量と質を担保したリハビリを行っております。リハビリをご希望の方はお気軽にご連絡ください。
視床出血とは?
〜“見えない中枢”が担う感覚とバランスの秘密〜
こんにちは!マヒリハの原田です🌞
今回は、脳出血の中でも多い“視床出血”についてお話しします。
視床とは、脳の中でも「感覚と運動をつなぐ中継地点」。
見えないけれど、私たちの“感じる”“動く”を支える、とても大切な場所です。
🧩視床ってどんなところ?
視床は、脳の間脳と呼ばれる部分にあり、
嗅覚を除くすべての感覚(視覚・聴覚・触覚・体性感覚など)を
大脳へ伝える“中継ステーション”のような役割を担っています。
私たちが何かを掴むとき、
「形」「重さ」「温度」「手の位置」などの情報を無意識に使っています。
これらの情報がスムーズに伝わることで、自然に動作が行われています。
👉 つまり、視床は 「感じて動く」をつなぐ司令塔 なんです。

🧠視床出血が起きるとどうなる?
脳卒中のうち、脳出血は全体の約18.5%。
その中でも視床出血は26%を占め、被殻出血と並んで多い場所です。
出血が大きくなると、意識が低下したり、
回復後も感覚障害・バランス障害・視床痛などの後遺症が残ることがあります。
また、血腫が視床の後方まで及ぶと覚醒レベルの低下が目立つこともあります。
⚡代表的な症状
| 種類 | 症状の内容 |
|---|---|
| ①運動麻痺 | 反対側の手足に力が入りにくくなる |
| ②感覚障害 | 痺れ、感覚が鈍い、熱さや冷たさが分かりづらい |
| ③運動失調 | 手足の動きがぎこちない、力の調整が難しい |
| ④視床痛 | 麻痺側の慢性的な痛み、ズキズキ・焼けるような痛み |
| ⑤眼球障害 | 上方注視麻痺や視線のずれなど |
🧭リハビリの考え方
視床出血後のリハビリは、個別性がとても強いです。
血腫の大きさ、障害された部位、覚醒レベル…
それぞれに合わせて、オーダーメイドのアプローチが必要です。
ここでは、視床出血のリハビリで大切な3つの視点をご紹介します👇

① 覚醒を上げるリハビリ
視床は“意識”にも深く関わっています。
そのため、覚醒レベル(反応のしやすさ)を上げることが第一歩です。
-
運動量を増やす(全身を動かすことで脳血流を上げる)
-
視覚・聴覚への刺激を増やす
-
好きな音楽や活動で心を動かす
💡“好きなことを通して動く”のも立派なリハビリです。
② 感覚に対するアプローチ
視床出血後は、感覚の情報処理がうまくいかなくなることが多いです。
そのため、リハビリでは「感じること」を取り戻す工夫をします。
-
皮膚刺激(タオル・ブラシ・温冷刺激)
-
荷重感覚の再学習(立つ・歩く時の感覚を入れる)
-
手で物を触れる課題(触覚で重さや質感を認識)
時間をかけてでも、感覚を取り戻すことは可能です。
ここがリハビリの大きな希望のひとつです✨
③ バランス機能の再構築
視床が障害されると、姿勢を保つバランスにも影響します。
バランス能力が落ちると、立つ・歩くなどの基本動作にも支障が出ます。
-
床面や重心を変えながら姿勢を保つ練習
-
半側空間無視や注意障害を併せて訓練
-
弱点を補うように残存機能を活かす
“自分の身体を感じて動く”という視床の機能を、
丁寧に呼び戻していくことが目標です。
🌿まとめ
✅ 視床は「感覚と運動の中継地点」
✅ 視床出血では感覚障害・バランス障害・視床痛が多い
✅ リハビリでは「覚醒」「感覚」「バランス」の3つが鍵
✅ 時間をかければ、感覚もバランスも少しずつ回復する
💬さいごに
視床出血のリハビリは、一人ひとり経過も症状も異なります。
「焦らず、でも諦めず」に、少しずつ進むことが何より大切です。
マヒリハでは、その方に合った最適なリハビリプランを一緒に考えます。
お困りのことやご不安があれば、ぜひお気軽にご相談ください😊
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