【認定理学療法士監修】いつ・何を目指すかで回復の道は変わる
ブログ監修者

脳梗塞Labo マヒリハ 柏の葉店店長 原田 涼平理学療法士 認定理学療法士(脳卒中)
脳梗塞Laboマヒリハ柏の葉店店長の原田です。地域でお困りになっている方や不安を感じている方を一人でも多く救えるよう、保険外だからこそできる量と質を担保したリハビリを行っております。リハビリをご希望の方はお気軽にご連絡ください。
🧭 麻痺の「重さ」と「リハビリ期間」──いつ・何を目指すかで回復の道は変わる
こんにちは!マヒリハの原田です🌞
脳卒中で出現する“麻痺”。重く見える・軽く見えるにはそれぞれ理由があります。今回は「麻痺の度合いがなぜ違うのか」「リハビリはどの時期に何をするのか」を、現場目線でわかりやすく解説します。退院後に不安を抱えている方、ご家族、支援者の方にも役立つ内容です。
🔬 麻痺の“重さ”を決める主なポイント
麻痺の程度(=どれだけ動かないか)は人によって大きく異なります。代表的な要因は次の通りです。
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障害部位:脳のどの場所が損傷されたかで影響が大きく変わります。
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病変の範囲(大きさ):広範囲の損傷ほど麻痺は重くなりやすい。
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原因血管:主幹動脈(大きな血管)で閉塞した場合は広範囲の障害になりやすく、麻痺が重くなる傾向があります。
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発症早期の治療・時間:早期の処置や再開通治療が行われれば軽症化することがあります。
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年齢・合併症・基礎体力:高齢や糖尿病・心疾患などがあると回復が遅れることがあります。
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リハビリ開始のタイミングと質:早期かつ適切なリハビリが回復を後押しします。

📊 実際の比較(わかりやすい目安)
同じ「脳梗塞」でも、部位や範囲で予後が大きく変わります。臨床データの一例(理解しやすく整理):
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基底核の小さな梗塞
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上下肢が完全麻痺になる頻度:およそ 3.3%
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良好な回復率:約 65%
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主幹動脈の大きな閉塞
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上下肢完全麻痺の頻度:およそ 36.6%(かなり高め)
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良好な回復率:約 31.7%
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→ 要するに、小さな局所病変は比較的回復しやすく、大きな血管がやられると麻痺が重く回復しにくい傾向があります。
🕒 リハビリは「3つの時期」で考える
リハビリは発症後の段階で役割が変わります。各期の目的と具体的な内容を整理します。
① 急性期(発症〜数週間)
目的:合併症予防と早期機能維持
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早期離床、寝たきり予防(血栓・肺炎対策)
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関節拘縮予防のパッシブ運動、体位交換
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意識状態の安定化、栄養・呼吸管理
発症後24〜48時間以内にリハを始めることが推奨されます(状態により調整)。
② 回復期(数週間〜数ヶ月)
目的:機能回復の獲得(可塑性を最大化)
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集中的な運動学習(1日複数回の訓練)
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日常動作(起き上がり・立ち上がり・歩行・自己介助)の練習
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評価に基づいた個別プログラム(弱い筋を狙う、代償を減らす)
発症後3〜6ヶ月は「回復のゴールデンタイム」。神経可塑性が高く効果が出やすい時期です。
③ 維持期(生活期・慢性期、退院後)
目的:獲得した機能の維持・社会参加・再発予防
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生活環境への適応(家屋改修、福祉用具)
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継続トレーニング(筋力、歩行練習、タスク練習)
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社会復帰支援、職場復帰のリハ設計
介護保険や自費リハなど、選択肢を組み合わせて継続することが重要です。

🎯 短期・中期・長期の目標の立て方(現場で有効な考え方)
目標は“SMART”(具体的・測れる・達成可能・現実的・期限付き)に設定しましょう。
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短期(1〜4週):座位で膝伸展10回、立位で体幹保持30秒 等
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中期(1〜3ヶ月):杖使用で自宅内歩行100m、階段1段昇降 等
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長期(6ヶ月〜):買い物に一人で出かける、趣味復帰 等
→ 小さな成功を積むことがモチベーション維持と脳の学習に直結します。
🛠 実践的アドバイス(患者さん・家族向け)
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評価を受けることが第一歩:理学療法士に現在の可動域、筋力、バランスをチェックしてもらいましょう。
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「質」が大事:ただ量(回数)を増やすだけでなく、目的を明確にした意識的な運動を(=意識性の原則)。
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環境を整える:手すり、靴、椅子の高さ調整は自立度を大きく変えます。
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無理は禁物だが、休みすぎも禁物:状態を見ながら継続することが回復につながります。
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早めの相談:痛み、発熱、急激な機能低下などは医師へ。リハの方針変更が必要な場合があります。
⚠ よくある誤解とQ&A
Q:発症から半年過ぎたらもう変わらない?
A:いいえ。回復の「スピード」は変わりますが、質の高い継続リハビリで改善はあり得ます。諦めないことが大事です。
Q:麻痺が強い人はリハビリの効果がないの?
A:重度の麻痺でも、残存機能の強化や代償方法、環境調整で生活の自立度は上がります。目標の立て方次第で変わります。
✅ 最後に(マヒリハからのメッセージ)
麻痺の「重さ」は数字だけで語れません。どんな麻痺でも“できること”を増やす余地は必ずあります。
大切なのは「いつ」「何を」「どのように」行うかの設計です。私たちマヒリハは、認定理学療法士の視点であなたに合ったプランを一緒に作ります。まずは状態を知ることから始めてみませんか?お気軽にご相談ください🌿
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