【認定理学療法士監修】脳梗塞後の血圧管理、実は下げすぎもNG!専門家が教える正しい知識
ブログ監修者

脳梗塞Labo マヒリハ 柏の葉店店長 原田 涼平理学療法士 認定理学療法士(脳卒中)
脳梗塞Laboマヒリハ柏の葉店店長の原田です。地域でお困りになっている方や不安を感じている方を一人でも多く救えるよう、保険外だからこそできる量と質を担保したリハビリを行っております。リハビリをご希望の方はお気軽にご連絡ください。
こんにちは!マヒリハの原田です!
脳梗塞の予防や再発予防のために、「血圧管理」がとても大切なことは、多くの方がご存知だと思います。
「血圧は、とにかく低い方が良いんでしょ?」
そう考えて、毎日血圧をチェックしている方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、もしそう思っているなら、その常識、実は危険な誤解かもしれません。
実は、脳梗塞と血圧の関係は非常にデリケートで、「いつ」の血圧かによって、目標とする数値や考え方が全く異なるのです。
今回は、脳梗塞の「急性期」と「再発予防期」における血圧管理の違いと、ご自身の体を守るために本当に大切なポイントについて、専門家の視点から分かりやすく解説していきます。
【トピック別解説】
トピック1:【発症直後】脳梗塞『急性期』の血圧管理~あえて“下げすぎない”理由~
まず、脳梗塞を発症してすぐの、入院中(急性期)のお話です。
脳梗塞になると、体への大きなストレスや頭痛などから、血圧が急激に上がることがよくあります。ご家族の方は「大変だ!早く血圧を下げないと!」と慌ててしまうかもしれません。
しかし、脳梗塞の急性期においては、原則として血圧を急激に下げてはいけません。
- なぜ下げてはいけないの?脳の血管が詰まりかけている時、体は「なんとかして脳に血液を送らなければ!」と、必死に血圧を上げて血液を送り込もうとします。これは、脳を守るための体の自然な防御反応なのです。
ここで無理に血圧を下げてしまうと、脳への血流がさらに減ってしまい、かえって脳のダメージを広げてしまう危険性があります。
- 専門家の間での常識そのため、脳卒中の治療ガイドラインでは、「よほど危険な状態(※)でない限り、血圧を無理に下げない」のが常識です。多くの場合、安静にして脳のむくみを取る治療などを行うことで、血圧は自然と落ち着いてきます。
(※心不全や大動脈解離など、他の重篤な病気を合併している場合を除きます)
トピック2:【退院後】『再発予防期』の血圧管理~ここからが本当の戦い!~
次に、無事に退院された後の、ご自宅での生活(慢性期・再発予防期)のお話です。
ここからの目標は、急性期とは全く逆。脳梗塞の『再発』を防ぐために、安定して低い血圧を保つことが非常に重要になります。
生活習慣を改善し、必要であればお薬をきちんと服用しながら、長期的に血圧をコントロールしていくことが求められます。
トピック3:なぜ「家庭血圧」がそんなに重要なのか?
「血圧は、病院で測っているから大丈夫」
そう思っていませんか?実は、病院での測定だけでは不十分なケースがたくさんあります。
- 白衣高血圧病院で白衣の医師や看護師を前にすると、緊張して血圧が上がってしまうタイプです。普段は正常なことが多いです。
- 仮面高血圧こちらが特に注意が必要です。病院では正常なのに、リラックスしているはずの自宅や、ストレスのかかる職場で血圧が高くなるタイプです。本人は気づきにくく、知らないうちに血管にダメージを与え続けているため、最も危険な高血圧とも言われています。ある調査では、常に血圧が高い人よりも死亡率が高かったという報告もあるほどです。
本当のあなたの血圧を知るためには、毎日決まった時間に自宅で血圧を測る「家庭血圧」の記録が不可欠なのです。
トピック4:【実践編】正しい家庭血圧の測り方
では、どのように家庭血圧を測れば良いのでしょうか。正しい測り方のポイントをご紹介します。
- いつ測る?
- 朝と夜の2回が基本です。
- 【朝】 起床後1時間以内、排尿を済ませ、朝食やお薬を飲む前に測りましょう。
- 【夜】 就寝前に測りましょう。
- どうやって測る?
- 椅子に座り、1〜2分安静にしてリラックスしてから測定します。
- 血圧計の腕帯(カフ)は、心臓の高さに正しく巻きましょう。
- 測定中は、おしゃべりしたり、体を動かしたりしないようにします。
- どう記録する?
- 測定した値は、血圧手帳やスマートフォンのアプリなどに記録しましょう。
- 2回測って、その平均値を記録するのがより正確です。
- 記録した手帳は、病院を受診する際に必ず持参し、お医者さんに見せてください。これがあなたの治療方針を決めるための、非常に重要な情報となります。
【まとめ】
今回は、脳梗塞と血圧管理について解説しました。
一番お伝えしたかったのは、脳梗塞の血圧管理は「急性期」と「再発予防期」で目標が全く違うということです。
「血圧は、とにかく低ければ良い」という思い込みは、時として危険な自己判断に繋がります。
ご自身の判断でお薬の量を調整したり、服用をやめたりすることは絶対にせず、必ず主治医の指示に従ってください。
そして、脳梗塞の再発予防のために、日々の正しい「家庭血圧」の測定と記録を習慣にすること。これが、あなたの体を守るための最大の武器となります。
マヒリハでは、脳卒中後の再発予防のための運動や生活習慣の改善について、専門的な視点からアドバイスを行っています。ご自身の健康について不安なことがあれば、いつでもお気軽にご相談ください。
ご予約はお電話、LINE、予約フォームからどうぞ


所在地 | 〒277-0871 千葉県柏市若柴226-42 中央144街区2 KOIL GARDEN 2F Google Map |
---|---|
受付時間 | 月、火、水、木、土9:30~18:30 |
電話番号 | 04-7197-5090 |
定休日 | 日、金、祝 |