マヒリハの佐藤です🌞
では、筋トレで筋肉や筋力を増やすことは、脳梗塞、脳出血後遺症がある方々にはすすめるべきなのでしょうか?
そこで今回は、脳梗塞と筋肉の関係性について解説していきます!
筋トレと脳梗塞
脳梗塞片麻痺における痙性麻痺に対して、筋力トレーニングを行うことは否定的なイメージが多くあります。
一番の理由は筋力増強が痙縮の増強につながると考えられているためです。
臨床上では、麻痺筋の筋力強化を行うことで、連合反応や共同運動を発生させてしまい、動作を作る際の妨げになると考えられていました。
連合反応とは…非麻痺側の努力性の動作に対して、麻痺側が不随的に動いてしまう現象。また、麻痺側の動作に対して麻痺側で不随運動が出てしまう事を、同側性連合反応といいます。
共同運動とは…中枢性疾患の回復期にみられる運動パターンです。回復に伴い運動パターンは独立していくのですが、回復期のリハビリの妨げとなります。
例えば肩を挙げる動作を行うと肘や手首なども一緒に曲がってしまう現象です。
しかし、近年筋力トレーニングは、痙縮を増加させることなく、筋力改善の効果があると示されました。最近では、筋力トレーニングは脳血管障害の回復に有効であり、痙縮を軽減する可能性が示されています。
やり方を間違えさえしなければ、奨励すべきとなっています。
最適なトレーニング量はどれくらいなのか?
トレーニングにも適性の量や回数というものがあります。
一般的に筋力を増やそうとトレーニングメニューを考案した場合、最大筋力の70%~80%の強度で、10回を1セットとして、3~4セット、期間として8週間行うと筋力は優位に増えると示されています。
これは健常者のエビデンスであり、脳血管障害の方に対して最適なトレーニング量はまだわかっていません。
ADLは改善されるのか?
筋力トレーニングは、脳血管障害でも痙縮を増悪させることなく筋力を上げることができる運動ですが、筋力向上がADLの改善とイコールであるというエビデンスはありません。
ADLの改善には、筋力強化だけでなく、日常動作や、ターゲット筋に沿った反復練習や機能訓練が不可欠となります。
また、トレーニングに伴い痛みや、痙縮の増加が出た場合はトレーニングを中止する必要があります。
脳血管障害によって、痙縮や麻痺が起きることで脳のシステムは、動作を行う際に複雑に入り組んだ回路を作り出します。
どれか一つがよいという方法はなく、症状に対して包括的にプログラムを作成するのが、現在リハビリのスタンダートとなっています。
まとめ
筋力トレーニングは脳梗塞のリハビリに効果的だが、症状に対して適切なトレーニングを行うことが大切。
間違ったトレーニングは悪化に繋がる可能性があります。
まずはリハビリの専門家に聞くことが大切です!!