【認定理学療法士が監修!】脳卒中後遺症で聞かれる感覚障害ってどういうこと?

こんにちは!

マヒリハの佐藤です🌞

脳卒中の後遺症で感覚障害という言葉を聞いたことはありませんか?

そこで今回は、「感覚とは」について解説していきたいと思います!

感覚って何?

理解すること

そもそも感覚というと思い浮かべるのは“五感”と言われる感覚ではないでしょうか?

五感とは

・視覚

・嗅覚

・聴覚

・味覚

・触覚

(教科書などによっては平衡感覚を入れた6感としているものもあります)

の5つを指します。

しかし、この五感の他にも感覚はあります!!

例えば痛いと感じたり、寒いと感じることもあると思います。

まず、医学的な五感は視覚、嗅覚、聴覚、味覚、平衡感覚の5つを指し、これらは脳神経による支配を受けています。

これは脳から直接神経が伸び、それぞれの受容器、(視覚なら眼球、嗅覚なら鼻など)に作用するようになっており、特殊感覚と言われています。

では触覚はどうでしょうか?

実は触覚は“表在感覚”と言われる感覚の1つです!

表在感覚って何?

表在感覚は、触覚の他に、温冷覚、痛覚、圧覚があります。

  • 触覚 →物に触れた感覚

  • 温冷覚 →冷たい、熱いなどを感じ取る感覚

  • 圧覚 →物が皮膚などに当たっていると感じる感覚

  • 痛覚 →針のような先が尖ったものが皮膚に触れたときに痛いと感じる感覚

また、他にもう一つ深部感覚という体を動かすのに必要な感覚があります。

深部感覚って何?

深部感覚は運動覚や位置覚、振動覚などです。

  • 運動覚 →手足がどう動いたのかを感じる感覚

  • 位置覚 →関節がどの位置にあるかを感じる感覚

  • 振動覚 →振動が当たっていると感じる感覚

これらの感覚はそれぞれ皮膚や筋肉、関節などにある刺激が入るとその刺激を受け入れる器官(感覚受容器)が感知し、その感知した刺激を脊髄から小脳、視床を伝い大脳に情報が伝わります。

その他に内臓感覚といった感覚もあります。

胃が痛い、お腹が痛い、頭が痛いと思ったことはありませんか?

これらは内臓感覚によって炎症や過拡張した状態を脳が把握し、痛みとして認識しているのです。
内臓感覚はそのほかにも、お腹がすいた、のどが渇いた、尿意などを感じる感覚を指します。

感覚障害ってどんな症状?

脳卒中の後遺症の中で起こる感覚障害とは主に表在感覚、深部感覚の麻痺が原因で起こっていることがあります。
上記で説明した通り、表在・深部感覚とはものに触れた感覚、痛み、手足の位置がどこにあるのかといった感覚です。
これらが障害されると触っているものが分からない、痛みがあるかわからない、手足がどこにどう動いているのかわからないといった症状がみられます。
また、麻痺は感覚が鈍るだけでなく、鋭敏になってしまうこともあり、少し触れただけでも強い痛みとして認識してしまう、冷たいものが熱く感じてしまうなどの症状がみられることもあります。
これらの感覚障害は感覚受容器や脊髄の問題ではなく、それを受け取る側、つまりは視床や小脳、大脳が感覚受容器から伝えられた情報を誤って処理してしまった結果起こる症状なのです。

感覚障害のリハビリ

感覚障害のリハビリでは主に他の感覚を代用しながら行われます。

例えば、手足の位置が分からなくなる位置覚や運動覚の障害がある場合は手足の位置を目で見て(視覚)を使ってどこにあるかを確認します。

今、手足の位置がどこにあるのか、どのように運動しているのかといった感覚を視覚で代償し、再獲得していくといった方法がとられることが多いです。

また触覚や温冷覚などは麻痺した側と反対の手足でどんな感覚かを感じ取り、麻痺した側でも同様の刺激を与え、正しい感覚を入力していく(健側で感覚を代用)方法を行います。
他にも足で地面を踏んだ感覚で足の位置を確認する(足の裏の圧覚・触覚で位置覚を代用)方法などです。
これらの代用手段を用いて、少しづつ正しい感覚を再獲得していくことが感覚障害のリハビリでは多く行われます。

まとめ

感覚は表在感覚と深部感覚に分かれています!

感覚障害はリハビリで軽減することもある症状です。

まずは、専門家にきちんと診てもらうことが大切です。なにかお困りのことがありましたら、マヒリハご相談ください!!