【認定理学療法士が監修】脳梗塞リハビリと再発予防 脳梗塞と糖尿病

こんにちは!

マヒリハの原田です🌞

今日は「糖尿病と脳卒中の関係」についてお話しします。

糖尿病は血糖値が高くなる病気ですが、実は脳卒中のリスク要因の一つでもあります。

そこで今回は、その理由と予防方法について分かりやすく説明します。

糖尿病とは?

糖尿病は、血糖値が正常範囲を超えて高くなる病気です。

インスリンというホルモンがうまく働かず、血液中の糖が細胞に取り込まれにくくなるため、血糖値が上昇します。

血糖値が高い状態が続くと、さまざまな合併症を引き起こします。

糖尿病と脳卒中の関係

血糖値が高いと、血液がドロドロになりやすくなります。

これにより、血管が詰まりやすくなり、脳の血流が途絶えることで脳梗塞が発生します。

また、糖尿病は動脈硬化とも深く関係しています。動脈硬化とは、血管の壁が厚くなり、硬くなる状態です。

血管がもろくなりやすく、これが原因で脳出血を引き起こすこともあります。

糖尿病は脳卒中の大きな要素の一つといえます。

脳梗塞と脳出血の両方のリスクを高めるため、糖尿病と診断された場合、脳卒中の予防にも力を入れる必要があります。

肥満と糖尿病

肥満はさまざまな健康問題を引き起こしますが、その中でも特に重要なのが「耐糖能異常」、つまり糖尿病の前段階の状態です。

インスリンとは?

インスリンは膵臓から分泌されるホルモンで、血糖値を下げる働きを持っています。

食事をすると血糖値が上がり、インスリンが分泌されて血糖を細胞に取り込ませ、血糖値を正常に保ちます。

インスリンは細胞の表面にある「レセプター」と結合して、その働きを発揮します。

肥満とインスリン抵抗性

肥満になると、インスリンが結合するためのレセプターの数が減少します。これにより、インスリンが十分に機能しなくなります。

この状態を「インスリン抵抗性」と呼びます。

インスリン抵抗性になると、血糖値を下げるために膵臓はさらに多くのインスリンを分泌しようとしますが、レセプターが不足しているため、効果が十分に発揮されません。

また、肥大した脂肪細胞からは、遊離脂肪酸やTNF-αなどの物質(アディポサイトカイン)が分泌され、これらもインスリンの働きを弱めます。

これにより、インスリンの分泌量が増加しても、その働きが不十分な状態が続きます。

耐糖能異常と糖尿病

インスリン抵抗性が続くと、血糖値を下げる力がさらに落ち、やがて糖尿病の発症に至ります。

糖尿病の診断基準は以下の通りです

・空腹時血糖値が126mg/dL以上

・75g経口糖負荷試験において2時間値が200mg/dL以上

・随時血糖値が200mg/dL以上

・HbA1cが6.5%以上

これらの基準のいずれかを満たす場合、「糖尿病型」と診断されます。なお、HbA1cとは赤血球のヘモグロビンと血糖が結合したもので、高血糖状態が続くと形成されやすくなります!

糖尿病の診断

糖尿病型の基準を満たす場合でも、すぐに糖尿病と診断されるわけではありません。

典型的な糖尿病の症状(口渇、多飲、多尿、体重減少など)や糖尿病網膜症が認められる場合は、糖尿病と診断されます。

症状が認められない場合は、再度検査を行い、再び糖尿病型の血糖値が確認されれば糖尿病と診断されます。

境界型と正常型

血糖値が糖尿病型に達していない場合でも、耐糖能異常の可能性があります。

診断基準は以下の通りです。

・空腹時血糖値が11mg/dL以下

・75g経口糖負荷試験において2時間値が140mg/dL以下

予防と対策

肥満による耐糖能異常を予防するためには、健康的な生活習慣が不可欠です。

1. バランスの取れた食事: 野菜や果物、全粒穀物、魚、大豆製品を中心にした食事を心がけましょう。糖分や脂肪分の多い食品は控えめに。

2. 定期的な運動: 毎日30分程度の有酸素運動(ウォーキング、ジョギング、サイクリングなど)を行いましょう。これにより、体重管理やインスリン感受性の向上が期待できます。

3. 禁煙と節酒: 喫煙はインスリン抵抗性を悪化させ、アルコールの過剰摂取も健康に悪影響を与えます。

4. 定期的な健康チェック: 健康診断を定期的に受け、血糖値やHbA1cをチェックしましょう。早期発見と早期対策が重要です。

まとめ

糖尿病は脳卒中の大きなリスク要因です。

健康的な生活習慣を維持し、定期的な健康チェックを行うことで、これらのリスクを減らし、健康な生活を送りましょう!