若い人でも脳出血の危険があるかも!?脳動静脈奇形(AVM)って何?
こんにちは!
マヒリハの佐藤です🌞
皆さんは脳動静脈奇形をご存知ですか?
実は、若い方でも脳梗塞や脳出血になる可能性があります!
そこで今回は、脳動静脈奇形について解説します!
どんな病気?
脳動静脈奇形(AVM)は『血管の奇形』です。
身体の血管は普通動脈から毛細血管となり、そこで酸素や栄養を組織に与え、変わりに不要な老廃物を血液に取り込んで静脈となり、心臓へ戻ります。
AVMは動脈が異常な血管の塊を通って直接静脈と繋がっています。AVMは普通無症状ですが、けいれんを起こして始めて分かる例があります。
また、AVMは出血することがあり、脳内出血やくも膜下出血の原因となります。
AVMの出血は若い人に多く、20〜40歳台で発症します。
そして、若い人の脳出血とくに脳葉出血、くも膜下出血はAVMを疑います。
出血の頻度は年間2〜3%程度と考えられていますが、一度出血したAVMは1年以内に再出血する率が6%と高くなります。
どんな症状?
AVMは存在だけでは殆ど無症状です。そのため、何かのきっかけがないと分かりません。
AVMと診断された例のうち脳出血が最も多く50〜60%、けいれん発作が30〜40%です。
また、出血すると重篤な症状となります。突然の頭痛、嘔吐があり、片麻痺などの局所脳症状が進んできます。
出血した例の10%前後が死亡してしまいます。
けいれんは手や足がピクピク震えるようになり、それが次第に広がって来るタイプが最も多いですが、突然倒れて身体が硬直したり、全身がガクガクする大発作の場合もあります。
そして、頻度は一定しません。てんかん発作として治療されている人は必ず一度は脳の検査をする必要があります。
他に頭部の雑音を訴える人がいます。比較的大きなAVMや硬膜AVMといい脳を覆っている膜にできたAVMで、心臓の拍動に一致したザッザッという音がします。
さらに、特殊なAVMとして『ガレン大静脈瘤』があります。
これは新生児や幼児に発症します。脳に大量の血流が必要なため心臓に負荷がかかり、心不全が起こります。
頭部の雑音や水頭症による頭囲拡大で診断されます。治療をしなければ2ヶ月以上生存することは難しい病気です。
どんな治療法
出血したAVMは再出血する可能性がありますので、『完全にAVMを摘出することが理想的な治療』となります。
また、出血が大きければ開頭して血腫を取り除きます。
その際、血管撮影でAVMがあることが分かっていれば、摘出しますが、大きな物や複雑なものは無理に取らずに落ち着いてから治療を行います。
けいれんで発症したAVMも若い人では将来出血する確率が高いので、出血の予防の意味で開頭して全摘出することが一番です。
しかし、AVMのうち5cm以上の大きな物や、血管構築が複雑なもの、脳の中で重要な機能を持っている場所にあるAVMは直接手術ができません。
そのような場合にはガンマナイフやリニアック放射線外科といって放射線のビームを当てる器械を使ってAVMを焼く放射線手術を行います。
ガンマナイフは3cm以下(確実なものは2.5cm以下)の大きさのAVMにしか効果はありません。
まとめ
脳動静脈奇形(AVM)は若い方でも脳出血を起こしやすい危険な病気です。
しかし病気を知ることで、さらなる病気にかかってしまう確率をさげることができます。
当院にはAVM由来の脳出血の方も来院されています。
もし体の検査をしたいなどがございましたら、お気軽にご相談ください!
ブログ監修者
脳梗塞Labo マヒリハ 柏の葉店店長 原田 涼平理学療法士 認定理学療法士(脳卒中)
脳梗塞Laboマヒリハ柏の葉店店長の原田です。地域でお困りになっている方や不安を感じている方を一人でも多く救えるよう、保険外だからこそできる量と質を担保したリハビリを行っております。リハビリをご希望の方はお気軽にご連絡ください。
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