【認定理学療法士が監修!】急なふらつき・転倒は『姿勢反射障害』かも?原因とリハビリを専門家が解説
ブログ監修者

脳梗塞Labo マヒリハ 柏の葉店店長 原田 涼平理学療法士 認定理学療法士(脳卒中)
脳梗塞Laboマヒリハ柏の葉店店長の原田です。地域でお困りになっている方や不安を感じている方を一人でも多く救えるよう、保険外だからこそできる量と質を担保したリハビリを行っております。リハビリをご希望の方はお気軽にご連絡ください。
「最近、何もないところでつまずきやすくなった…」
「歩き出すと、自分の意思とは関係なく止まれなくて怖い…」
「ただ立っているだけなのに、体が傾いていく感じがする…」
パーキンソン病と向き合う方の中で、徐々にバランスが取りにくくなり、このような不安を感じていませんか?
それは、パーキンソン病の代表的な症状の一つである『姿勢反射障害』が原因かもしれません。
今回は、この姿勢反射障害とは一体何なのか、なぜ起こるのか、そして、どのように向き合っていけば良いのかについて、リハビリの専門家として分かりやすく解説していきます。
【トピック別解説】
トピック1:『姿勢反射障害』とは?~体がバランスを忘れてしまう状態~
パーキンソン病には、代表的な4つの運動症状があります。
- 静止時振戦(じっとしている時のふるえ)
- 筋固縮(筋肉のこわばり)
- 動作緩慢(動きが遅くなる)
- そして、今回解説する姿勢反射障害
私たちは普段、立っている時や歩いている時、無意識に体のバランスを保っています。もし誰かに軽く押されても、とっさに足を出したり、体勢を立て直したりできますよね。これが「姿勢反射」です。
姿勢反射障害とは、この無意識に行われているはずの“バランス調整”や“スムーズな動きの切り替え”ができなくなってしまう状態のことです。脳からの指令がスムーズに伝わらず、とっさの反応が遅れてしまうのです。
トピック2:こんな症状、ありませんか?姿勢反射障害の具体例
姿勢反射障害と聞いても、イメージしにくいかもしれません。具体的には、以下のような症状として現れます。これらは、パーキンソン病にかかってすぐではなく、他の症状より数年遅れて現れることが多いと言われています。
- バランスが取りにくく、ふらついたり転びやすくなったりする。
- 歩き始めの一歩が出にくい(すくみ足)。
- 一度歩き出すと、小走りになって止まれない(突進現象)。
- 歩いている最中の方向転換が苦手で、何歩も足踏みしてしまう。
- だんだん姿勢が前かがみになってしまう。
- まっすぐ立っているつもりでも、体がピサの斜塔のように傾いてしまう。
このように、姿勢反射障害は体のバランスだけでなく、歩くという日常的な動作にも大きな影響を及ぼします。
トピック3:なぜ姿勢反射障害は起こるのか?~“潤滑油”の不足~
パーキンソン病における姿勢反射障害の主な原因は、脳内の神経伝達物質である**『ドーパミン』の不足**です。
ドーパミンは、脳の「黒質(こくしつ)」という場所で作られ、体の動きをスムーズにするための**“潤滑油”**のような役割をしています。パーキンソン病では、何らかの原因でこのドーパミンを作る神経細胞が通常より早いペースで壊れてしまい、ドーパミンが不足。その結果、脳からの指令がギクシャクしてしまい、スムーズな動きやバランス調整が難しくなるのです。
トピック4:どう向き合う?姿勢反射障害へのアプローチ
現在のところ、パーキンソン病そのものの進行を止める治療法は確立されていません。そのため、治療のメインは薬物療法とリハビリテーションをうまく組み合わせ、症状を上手にコントロールしていくことになります。
- ① 薬物療法
治療の基本は、不足しているドーパミンを補うお薬を使うことです。お薬によって運動機能の改善が期待できますが、長く使用していると効果が不安定になったり(オン・オフ現象)、意図せず体が動いてしまったり(ジスキネジア)といった副作用が現れることもあります。そのため、主治医と密に連携し、あなたの年齢や症状に合わせて薬の種類や量を調整していくことが非常に重要です。
- ② リハビリテーション(理学療法)
薬だけでは改善が難しいのが、この「姿勢反射障害」です。だからこそ、リハビリテーションが薬と同じくらい、あるいはそれ以上に重要になります。
体力が低下すれば他の病気にかかりやすくなり、姿勢反射障害による転倒は骨折に繋がりかねません。そうなる前に、定期的なリハビリで心身の機能を維持・向上させることが大切です。
- 【マヒリハで行うリハビリテーションの例】
- バランストレーニング: 不安定なマットの上で立ったり、ボールを使ったりして、バランス感覚を養います。
- 歩行訓練: 床に目印を置いて大股で歩く練習や、メトロノームのリズムに合わせて歩く練習で、歩行を安定させます。
- 姿勢矯正エクササイズ: 鏡を見ながら、丸まりがちな背中を伸ばし、正しい姿勢を体に覚えさせます。
- 動作練習: 苦手な方向転換や、安全な立ち上がり方など、日常生活の動作のコツを繰り返し練習します。
【まとめ】
パーキンソン病の症状である「姿勢反射障害」は、転倒のリスクを高め、生活の質に大きく影響する症状です。
しかし、症状の変化やその程度に合わせて、早い時期からきちんと治療を行うことで、良好な状態を長く保ち、改善を目指すことは十分に可能です。「年のせいだから」「病気だから仕方ない」と諦めてしまう前に、できることはたくさんあります。
何よりもまず、ご自身の体の状態を専門家に相談するのが一番です。
私たちマヒリハでは、パーキンソン病の方お一人おひとりの症状や目標に合わせた、専門的なリハビリプログラムを提供しています。薬物療法と効果的に連携しながら、あなたの「できる」を増やし、自信を持って毎日を送るためのお手伝いをさせていただきます。
ふらつきや歩行にお悩みでしたら、ぜひ一度、マヒリハへご相談ください。
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