【認定理学療法士監修】脊髄小脳変性症のリハビリとは?

ブログ監修者

脳梗塞Labo マヒリハ 柏の葉店店長 原田 涼平理学療法士 認定理学療法士(脳卒中)

脳梗塞Laboマヒリハ柏の葉店店長の原田です。地域でお困りになっている方や不安を感じている方を一人でも多く救えるよう、保険外だからこそできる量と質を担保したリハビリを行っております。リハビリをご希望の方はお気軽にご連絡ください。

こんにちは!マヒリハの岡田です💁‍♂️
今回は、脊髄小脳変性症(SCD)を抱える方やご家族に向けて、「リハビリテーションの意義と可能性」についてお話しします。

この病気は「治らない」「どうしようもない」と思われがちですが、リハビリには明確な意味があります。進行性疾患だからこそ、「その人らしく生きる」ためにリハビリが果たす役割はとても大きいのです。

なぜ脊髄小脳変性症にリハビリが必要なのか?

脊髄小脳変性症は、小脳や脊髄などの神経がゆっくりと変性していく病気です。その影響で、以下のような症状が進行的に現れます。

  • 歩くとふらつく(歩行失調)
  • 手先が震える、思ったように動かない(協調運動障害)
  • 発音が不明瞭になる(構音障害)
  • 飲み込みが難しくなる(嚥下障害)

これらの症状は、進行を止めることは難しいとされていますが、機能の維持や安全性の確保、生活の質(QOL)の向上という面で、 リハビリの介入が極めて有効です。 

リハビリの3つの柱

脊髄小脳変性症におけるリハビリは、主に次の3つの目的を持って行われます。

① 転倒予防と安全な移動手段の確保

ふらつきやバランス感覚の低下は、日常的な転倒リスクを高めます。特に高齢の方では転倒から骨折、寝たきりに進行することも。

リハビリでは、以下のようなバランス・歩行訓練が中心となります。

  • 安全な立ち上がり・方向転換の練習
  • 杖や歩行器の正しい使い方
  • 下肢筋力の維持・強化
  • バランスボードや段差練習などの応用動作訓練

転ばないための動作を身体で覚えることが、日常生活の安心につながります。

② 日常生活動作(ADL)の維持と工夫

「立ち上がりがつらい」「ボタンが留められない」「箸がうまく使えない」など、身の回りの動作が難しくなるのも脊髄小脳変性症の特徴です。

理学療法士・作業療法士がそれぞれの動作を評価し、

  • 手の協調性を高める運動
  • 補助具の選定(スプーン、椅子、洋服など)
  • トイレ・入浴・移動時の省エネ動作の指導

といった実践的な支援を行います。
「できない」を「工夫すればできる」に変えていくことが、本人の自信や自己効力感につながります。

③ 嚥下・構音の訓練(必要に応じて)

飲み込みや発音に障害が現れると、誤嚥性肺炎のリスクや、社会的孤立にもつながりかねません。

言語聴覚士によるリハビリでは、

  • 食事中の姿勢の工夫
  • 飲み込みやすい食事形態の指導
  • 発音しやすい声の出し方の練習

などが行われます。「食べる楽しみ」「話す喜び」を保つことは、QOLの根幹に関わる重要な支援です。

進行性疾患にこそ“維持”が意味を持つ

脊髄小脳変性症は、進行する病気です。
「治らないのにリハビリをして意味があるの?」と感じる方もいるかもしれません。

でも、進行を“遅らせる”、あるいは“安全に過ごす時間を増やす”ことは、とても価値あることです。

  • 今の状態を長く保つこと
  • 転倒や誤嚥など、予防可能なリスクを最小限に抑えること
  • 自分らしく暮らす工夫を見つけること

これらは、リハビリによって支えられる現実的なゴールです。

ご家族とともに取り組むチームリハビリ

本人の努力だけでなく、 家族の理解と協力 もこの病気では欠かせません。

  • 家の中の安全対策(段差・手すり・照明)
  • 食事や排泄のサポート方法の工夫
  • 心のケアや声かけのタイミング

こうした生活全体の見直しを含め、私たち専門職が「チーム」として支援していきます。

脳梗塞のおじさん

まとめ:進行しても“希望”は見つけられる

脊髄小脳変性症はたしかに難しい病気です。
ですが、それは「何もできない」という意味ではありません。

いまの生活を大切にしながら、
これからの生活を一緒に整えていく。

それが、私たちマヒリハが大切にしている「寄り添うリハビリ」です。

「もっと転ばないようにしたい」「食事を安心して楽しみたい」「まだまだ家族と出かけたい」
そんな思いを、ぜひ私たちにお聞かせください。
あなたの希望に、全力で応える準備がここにあります。

さらに専門的なご相談や、個別リハビリの体験をご希望の方は、マヒリハまでお気軽にどうぞ。

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