【認定理学療法士監修】痛みと暮らすってどういうこと?

ブログ監修者

脳梗塞Labo マヒリハ 柏の葉店店長 原田 涼平理学療法士 認定理学療法士(脳卒中)

脳梗塞Laboマヒリハ柏の葉店店長の原田です。地域でお困りになっている方や不安を感じている方を一人でも多く救えるよう、保険外だからこそできる量と質を担保したリハビリを行っております。リハビリをご希望の方はお気軽にご連絡ください。

🔥 痛みと暮らすってどういうこと?

— 脳卒中後の慢性疼痛をやわらげるために知っておきたいこと —

こんにちは!マヒリハの原田です🌞
脳卒中のあと、「痛みが長く続いている」「肩や手がずっと辛い」と訴える方がとても多いです。痛みは目に見えず、本人も周囲も気づきにくい――だからこそ“放置”されがち。今回は脳卒中と慢性疼痛について、マヒリハ流でわかりやすく、実践的にまとめます。

🔎 慢性疼痛って何?(大切な定義)

国際的には、「通常期待される治癒期間を超えて続く、3か月以上の痛み」を慢性疼痛と呼びます。
痛みは単なる「感覚」だけでなく、情動(つらさ・不安)や生活面にも影響を与える複合現象です。

ポイント:原因がはっきりしないことも多く、長引くほど神経の感度(感作)が高まり、痛みを感じやすい状態になります(=痛みが脳の中で“学習”される)。

🧠 脳卒中で起こる痛みの主なタイプ

  1. 中枢性脳卒中後疼痛(CPSP/視床痛)
     視床や感覚路の障害が原因で起こる神経障害性の痛み。灼熱感、電気が走るような痛み、冷感、深部の疼きなど多彩で、発症は発症直後〜数年後まであり得ます。

  2. 痙縮・拘縮に伴う疼痛
     筋の過緊張や関節の動きの悪さが持続的な痛みを生みます(肩の痛みや関節痛など)。

  3. 侵害受容性・混合性疼痛
     組織や関節の変化+神経の過敏が混在することが多いです。

  4. 心理社会的要因が影響する痛み
     不眠、抑うつ、不安、孤立、作業停止などが痛みを悪化させる負のループに。

🎯 治療の目標は「痛みゼロ」ではない

慢性疼痛は完全に消えることが難しいケースが多く、第一目標は「痛みをゼロにする」ではなく、
痛みと上手に暮らし、生活の質(QOL)や日常機能(ADL)を向上させることです。
痛みを管理して「痛みに気を取られない行動」を増やすことがゴールになります。

🛠 マヒリハ流:多面的アプローチ(実践編)

慢性疼痛は一つの方法だけでは改善しにくいので、複数を組み合わせることが鍵です。

① 身体的アプローチ(リハビリ)

  • ストレッチ/関節可動域訓練:拘縮を防ぎ、痛みの原因を減らす

  • 筋力トレーニング:支持筋を鍛え、関節負担を減らす

  • 感覚リトレーニング(触覚・荷重入力):感覚の再教育で過敏を改善することがある

  • 姿勢・動きの再学習:片麻痺後の偏った使い方を修正して痛みを減らす

  • 電気刺激(適応があれば):痛み軽減や筋収縮補助に使えることがあります(医療機関との連携で)

② 医学的治療(医師と相談)

  • 神経障害性疼痛薬(例:ガバペンティン系、SNRI等)

  • 筋弛緩薬やボツリヌス注射(痙縮による痛みに)

  • 局所注射や神経ブロック(状況により疼痛緩和に有効)
    → 薬は効果と副作用を照らし合わせ、専門医と調整しましょう。

③ 心理社会的アプローチ

  • 認知行動療法(CBT):痛みの捉え方を変え、行動を増やす

  • 睡眠改善:睡眠は痛み耐性に直結します

  • 活動の段階的増加(Pacing):無理なく活動量を戻す計画づくり

  • 家族支援・社会資源の活用:孤立やストレスを減らすことも重要

④ セルフケア(今日からできること)

  • こまめな軽運動(短時間の歩行や体操)で循環を改善

  • 冷/温法の使い分け(急性の痛みは冷やす、慢性では温めて筋緊張を和らげる場合あり)

  • 呼吸法やリラクセーションで不安や過覚醒を和らげる

  • 痛み日記:痛みの強さ・状況・睡眠・薬の効果を記録し、治療調整に活かす

🔁 痛みの負のループと、その断ち切り方

慢性痛は「痛み→活動減少→筋力低下→痛み増強→気分低下」というループを作ります。
小さくても「動けた」「続けられた」という成功体験を積み重ねることが回復への近道です。マヒリハでは**「できること」を増やす設計**を一緒に作ります。

🩺 受診のタイミング(こんなときは専門へ)

  • 痛みの性質が突然変わった(強さ、しびれの広がりなど)

  • 痛みで睡眠や食事、日常生活に大きな支障がある

  • 薬やリハビリを続けても改善が乏しい
    → 脳神経内科・痛み専門外来・リハ科などへご相談を。複合的治療が必要なことが多いです。

最後に — あなたの痛みと向き合うときの合言葉

「原因を探る」+「小さな行動を積む」+「専門と連携する」
痛みは“あなたのせい”ではありません。けれど「一緒にできること」は確実にあります。私たちマヒリハは、身体面・心理面・生活面を一緒に整理して、毎日が少しでも楽になる道筋を探します。

もし今、痛みで眠れない・動けない・楽しめないと感じているなら、ぜひお気軽にご相談ください。🌿

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