【認定理学療法士が解説!】パーキンソン病の嚥下障害とは!?
ブログ監修者

脳梗塞Labo マヒリハ 柏の葉店店長 原田 涼平理学療法士 認定理学療法士(脳卒中)
脳梗塞Laboマヒリハ柏の葉店店長の原田です。地域でお困りになっている方や不安を感じている方を一人でも多く救えるよう、保険外だからこそできる量と質を担保したリハビリを行っております。リハビリをご希望の方はお気軽にご連絡ください。
【パーキンソン病と嚥下障害】食べる楽しみを守るために、今できること
こんにちは!マヒリハの原田です。
パーキンソン病の症状のひとつに、「嚥下障害(えんげしょうがい)」があります。
“食べる”ということは、ただ栄養をとるだけでなく、毎日の楽しみでもあり、心のゆとりでもありますよね。
でも、嚥下障害が進行すると、飲み込みにくさから食事に時間がかかったり、むせたりしてしまうことがあります。そして、それが誤嚥性肺炎や栄養不足といった、命に関わる合併症につながることもあるのです。
今回は、そんな嚥下障害について、「なぜ起こるの?」「どんな症状?」「どう対処したらいいの?」といった視点から、やさしく、わかりやすくお話ししていきます。
嚥下障害ってどんなこと?
“嚥下(えんげ)”とは、口に入れたものを噛んで飲みこむまでの一連の動作のこと。
この嚥下には、以下の5つの段階があります:
1. 先行期:食べ物を目で見て判断、食欲がわく
2. 準備期:よく噛んで唾液と混ぜる
3. 口腔期:舌を使ってのどの奥へ運ぶ
4. 咽頭期:食道に送る際、気管に入らないよう蓋を閉じる
5. 食道期:食道から胃へ安全に運ぶ
このどこかに不調が起こると、嚥下障害となります。
パーキンソン病で嚥下障害が起こる理由
パーキンソン病では、体をスムーズに動かすための神経伝達がうまくいかなくなることで、筋肉の動きが遅れたり、こわばったりします。これは手足だけでなく、口の周りや喉の筋肉(咽頭筋)にも影響を与えるため、嚥下動作にも支障が出てくるんです。
早い段階から始まることもありますが、自覚しにくく、気づいたときには進行していた…なんてことも少なくありません。
こんな症状はありませんか?
パーキンソン病による嚥下障害のサインとして、以下のようなことがあげられます。
・食事にやたらと時間がかかる
・むせやすい、飲み込みづらい
・唾液がたまりやすい
・食後に咳き込む
・食べ物が口の中に残っている
・声がガラガラする
もしひとつでも当てはまるものがあれば、早めの対処がとても大切です。
気をつけたい合併症
嚥下障害から起こりやすい合併症には、次のようなものがあります。
① 誤嚥性肺炎
食べ物や唾液が誤って気管に入り、肺に入って炎症を起こす病気です。
特に高齢の方、パーキンソン病の方に多く、**命に関わるケースも**あります。
② 栄養不足・脱水
しっかり食べられなくなることで、栄養も水分も足りなくなります。
それが筋力低下や免疫力の低下につながる悪循環に。
③ 口腔内感染
食べ物が残りやすくなると、口の中の衛生環境も悪くなりやすいです。
パーキンソン病の嚥下障害にできること
では、どうやって対処していけばいいのでしょうか?
✔ 1. 食事の工夫
・飲み込みやすいようにやわらかく、一口量を少なめに
・とろみをつけることで誤嚥予防に
・スプーンの大きさや食器の傾きなども見直してみましょう
✔ 2. 姿勢を整える
・椅子に深く腰掛けて、背筋を伸ばす
・頭は少し前に傾けるようにすることで、誤嚥しにくくなります
✔ 3. 口の中を清潔に
・食後の歯磨きやうがいは忘れずに。細菌の繁殖を防ぎましょう
✔ 4. 嚥下のリハビリ
・口や舌の体操で筋力を維持
・肩や首回りのストレッチも嚥下機能の維持に役立ちます
リハビリに関しては、専門職(言語聴覚士など)への相談もとても効果的です。
まとめ ~「食べる」は、生きる力~
“食べる”という行為は、命をつなぐだけでなく、心を満たす時間でもあります。
「もうむせるのが怖くて、食事が楽しめない…」
そんなふうに感じている方がいらっしゃったら、ぜひ一度ご相談ください。
パーキンソン病の嚥下障害は、早めに気づいて対処すれば、予防や改善が可能な症状です。
毎日のちょっとした工夫とリハビリが、未来の安心につながります。
ひとりで悩まず、医療・介護の専門家と一緒に、“食べる喜び”を守っていきましょう!
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