加齢により、体の状態が少しずつ変化を起こします。
その中でも、多くの人の悩みの1つに頻尿があります。
また、脳梗塞や脳出血などの脳血管障害になってしまうと、頻尿になってしまうケースが多くあります。
そこで今回は、なぜ脳血管障害で頻尿になるかを解説していきます!
尿の出るしくみ
尿は血液をもととして腎臓で作られています。
腎臓に流れ込んだ血液は、糸球体、尿細管、腎盂といった場所を通り、いるものといらないものに分別され(ろ過)、尿が出来上がります。
1日に腎臓がろ過する血液の量は『150リットル』になります。
腎盂でできた尿は、尿管を通って膀胱に貯められ、尿道から排出されます。
1日にろ過された分の1%が尿として排泄されるので約1.5lが1日の尿量になります。
排尿反射
尿が出る仕組みです。成人の膀胱容量は約500mlです。
腎臓で生成された尿は膀胱に蓄尿されていきます。
ある一定の尿量までは、膀胱内圧に変化が起きないので尿意を感じる事はありません。
この時、自律神経に支配されている膀胱は弛緩し、内外尿道括約筋は収縮しているので蓄尿の状態を作っています。
そして、尿量が400mlを越えてくると膀胱内圧が急に上昇します。
すると膀胱の伸展受容器が刺激されて、脳幹の排尿中枢から大脳皮質に、「尿がたまりました」という指令が伝わります。
そして、大脳から排尿指令が下り、大脳は徐々に蓄尿機能を解除していきます。
急に解除されてしまうと、漏れ出してしまい大変なことになってしまいます。
そこで強力なストッパーとなるのが外尿道括約筋です。末梢神経の陰部神経支配なので尿排出を自分の意思で我慢することができます。
排出する時になるとそれぞれの神経が協調して働き、排尿を行います。
頻尿
排尿の回数は、日中は3~7回、夜間尿は0~1回が正常とされています。これ以上であると頻尿があると判断されます。頻尿になる原因は大きく5つに分けられます。
① 膀胱への刺激が強くなり尿意が出やすくなる。
② 膀胱を支配している神経の障害。
③ 排尿がうまくいかず、残尿が多くなる。
④ 水分の過剰摂取による尿回数の増加。
⑤ 精神的不安や緊張
脳梗塞、脳出血による頻尿
脳梗塞、脳出血などの中枢性神経疾患で頻尿になる事があります。
病気により排尿反射が亢進してしまい、膀胱に十分な量の尿をためる事ができなくなります 。膀胱にわずかの尿が貯まっただけで尿意が生じてしまいます。(尿意切迫感)
また、血圧の高い人は『夜間に腎臓の血流が増加する』ため夜間尿量が増加し、排尿回数が増えてしまいます。
【運動性切迫性尿失禁と知覚性切迫性尿失禁】
頻尿が我慢できないと失禁を起こしてしまいます。
典型的な運動性切迫性尿失禁は脳卒中後の患者さんにみられます。
脳の排尿中枢の障害により膀胱の蓄尿機能障害が起き,尿貯留が少量でも排尿反射が起こり,膀胱が収縮してしまうため失禁となる状態のことをいいます。
このように膀胱が勝手に収縮してしまうことを無抑制収縮とよびます。
知覚性切迫性尿失禁は、膀胱炎、前立腺肥大症、膀胱結石などになり、強い尿意を生じた時に抑制がきかず失禁してしまいます。
頻尿の治療
治療には膀胱を弛緩させるAchレセプター遮断薬(抗コリン薬)やβレセプター刺激薬を使用します。
薬物療法が基本となりますが、切迫性尿失禁予防のアナログな運動も有用な事があります。
骨盤底筋を鍛える事で、少々の我慢ができるようになるため、「ちょろっと出てしまう」というような状態を予防することができます。
尿回数を減らすことはそのままQOL(生活の質)の改善につながります。悩んでいる方はぜひ相談してみて下さい。