【専門家が解説】入院で失った筋力は戻る?「1週間で15%減」の衝撃と回復への全知識
ブログ監修者

脳梗塞Labo マヒリハ 柏の葉店店長 原田 涼平理学療法士 認定理学療法士(脳卒中)
脳梗塞Laboマヒリハ柏の葉店店長の原田です。地域でお困りになっている方や不安を感じている方を一人でも多く救えるよう、保険外だからこそできる量と質を担保したリハビリを行っております。リハビリをご希望の方はお気軽にご連絡ください。
こんにちは! 脳梗塞リハビリ専門施設「マヒリハ」の原田です🌞
「脳卒中で入院してから、父の体力がガクンと落ちてしまった…」 「退院はできたけど、以前のように動けず、気力もなくなっているようだ」
ご病気そのものの後遺症に加え、入院生活による急激な体力・筋力の低下は、ご本人にとってもご家族にとっても、非常につらく、大きな不安の種だと思います。
これは**「廃用症候群(はいようしょうこうぐん)」や「サルコペニア(加齢性筋肉減弱現象)」**とも呼ばれ、安静状態が続くことで心身の機能が低下してしまう状態です。
そこで今回は、
- 入院でどれだけ筋力が落ちてしまうのか、その衝撃の事実
- 失った筋力を取り戻すために必要な期間と具体的なリハビリ方法
- リハビリ効果を倍増させる「食事の秘訣」
について、専門家の視点から徹底的に解説します。日頃の筋力に不安がある方も、ぜひ参考にしてみてください😄

【衝撃の事実】入院による筋力低下の現実
まず、なぜ安静状態が危険なのか、その現実を知ることから始めましょう。
寝たきり1週間で、筋力は10%~15%も失われる
驚かれるかもしれませんが、健康な成人でもベッド上で安静にしていると、わずか1週間で10%~15%もの筋力が失われると報告されています。特に影響を受けやすいのが、重力に抗して体を支えるお尻や太ももなどの「抗重力筋」です。
動かさないでいると筋肉は急速に萎縮し、細くなっていきます。これが「退院したら、足が棒のように細くなっていた」という事態を引き起こすのです。
失った筋力を取り戻すには「4倍」の時間がかかる
さらに厄介なのは、一度失った筋肉を取り戻すには、失った期間の約4倍もの時間が必要だという点です。 つまり、1週間の安静による筋力低下を回復させるには、退院後に約1ヶ月間の積極的なリハビリが必要になる計算です。
そして、回復を阻む最大の壁が**「筋力低下の悪循環」**です。 筋力低下 → 動くのが億劫になる → 活動量がさらに減る → さらなる筋力低下… この負のループに陥ってしまうと、回復が大幅に遅れるだけでなく、気力まで失われてしまいます。
筋力低下から回復へ!自分でできるリハビリ3ステップ
この悪循環を断ち切るために、入院中から退院後まで、段階に合わせたリハビリを行いましょう。
ステップ①【入院中】許可の範囲で、とにかく動く
医師や看護師の許可が前提ですが、「絶対安静」でない限り、ベッド上でもできることはあります。目標は「筋力低下を最小限に食い止める」ことです。
- 寝返りをうつ、体を起こす: これだけでも全身の筋肉を使います。難しければスタッフに介助してもらいましょう。
- 足首の運動: 横になったまま、足首を曲げ伸ばしするだけでも、ふくらはぎの筋肉を刺激できます。
- マッサージ: 動かせる方の手で、麻痺側の手足を優しくマッサージするだけでも、筋肉への意識付けになります。
ステップ②【退院直後】まずはストレッチから
退院後、焦って筋トレを始めるのは禁物です。安静によって固くなった関節や筋肉を、まずはストレッチで優しくほぐし、「動かしやすい体」を取り戻すことから始めましょう。入院中に理学療法士におすすめのストレッチを教わっておくと、より効果的です。
ステップ③【体が慣れてきたら】有酸素運動+筋トレ
ストレッチで体が動く準備ができたら、次の段階へ進みます。
- 有酸素運動: ウォーキングは最も手軽で効果的なリハビリです。最初は「1日20分を週3回」など、無理のない目標から始めましょう。心肺機能も向上し、活動的な体を取り戻せます。
- 筋力トレーニング: スクワットや椅子からの立ち座りなど、大きな筋肉を鍛える運動が効果的です。専門家の指導のもと、正しいフォームで行うことが重要です。
リハビリ効果を倍増させる「食事の秘訣」
運動と同じくらい、いえ、それ以上に重要なのが「栄養」です。特に、筋肉の材料となる栄養素を戦略的に摂取しましょう。
筋肉の「材料」:タンパク質
タンパク質は筋肉の元となるアミノ酸に分解されます。重要なのはその摂り方です。
- 3食均等に摂る: 最新の研究では、1日の総量よりも**「毎食20g程度のタンパク質を均等に摂る」**方が、効率的に筋肉が作られることが分かっています。朝食をパンとコーヒーだけで済ませず、卵やヨーグルトをプラスしましょう。(※腎臓に疾患がある方は、必ず主治医に相談してください)
筋肉を作る「スイッチ」:ロイシン
タンパク質を摂るだけでは不十分です。筋肉を作るための**「スイッチ」を押してくれる栄養素、それが必須アミノ酸の「ロイシン」**です。
- 多く含まれる食品: 大豆製品、牛乳・乳製品、卵、肉、魚など。
- 摂るタイミング: ロイシンは、運動後45分以内に摂取すると、筋肉の合成が最も促進される「ゴールデンタイム」です。リハビリ後に牛乳をコップ1杯飲む、ゆで卵を1つ食べる、といった簡単な工夫で、リハビリ効果は格段にアップします。

【まとめ】
入院による筋力低下は、想像以上に急速に進みます。しかし、それは決して取り戻せないものではありません。
入院中は「維持」を目標に少しでも動くこと。 退院後は「ストレッチ→有酸素運動→筋トレ」と段階を踏むこと。 そして、毎食の「タンパク質」と運動後の「ロイシン」を意識すること。
この3つを実践すれば、失われた筋力と自信を少しずつ取り戻していくことが可能です。 回復には時間がかかりますが、焦らず、諦めず、できることから一歩ずつ始めていきましょう。マヒリハでは、そんなあなたの「もう一度、動けるようになりたい」という想いを、運動と栄養の両面から全力でサポートします。
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