【認定理学療法士監修】その「片側の笑顔」は何を伝えている?

ブログ監修者

脳梗塞Labo マヒリハ 柏の葉店店長 原田 涼平理学療法士 認定理学療法士(脳卒中)

脳梗塞Laboマヒリハ柏の葉店店長の原田です。地域でお困りになっている方や不安を感じている方を一人でも多く救えるよう、保険外だからこそできる量と質を担保したリハビリを行っております。リハビリをご希望の方はお気軽にご連絡ください。

😶‍🌫️ その「片側の笑顔」は何を伝えている?

脳梗塞と顔面麻痺のしくみ・見分け方・暮らしのケア

こんにちは!マヒリハの原田です🌞
「急に口が曲がった」「片目が閉じにくい」――そんな不安を抱えて来られる方が増えています。顔は“表情”の窓。そこがうまく動かないと、見た目の問題だけでなく、食事・目の乾燥・気持ちの面にも影響が出ます。今回は、脳梗塞に関連する顔面麻痺をマヒリハ流にやさしく、かつ実践的に解説します。

🧭 まず結論:顔面麻痺は大きく「中枢性」と「末梢性」に分かれる

  • 中枢性(脳由来):脳(大脳皮質やその下の経路)の障害で起きる。典型的には「顔の下半分だけに麻痺が出る」ことが多い。脳梗塞が原因のことがあります。

  • 末梢性(顔面神経そのものの障害):顔面神経(脳幹〜顔面の末端まで)が直接障害される。顔の上下半分ともに麻痺するのが特徴(片側全体が動かない)。

ポイント:顔のどの部分が動かないかで「脳のどこが怪しいか」をある程度推測できます。

🧠 顔面神経ってどう走っているの?(ざっくり)

  1. 大脳皮質(あなたの「動かそう」と思うところ)

  2. 脳幹の顔面神経核へ伝わる

  3. 顔面神経(顔の筋肉へ伸びる枝)として末梢に出る

  4. 眼輪筋・口輪筋などの表情筋を動かす

つまり、脳のどちら側の経路がやられているか、あるいは顔面神経そのものにダメージがあるかで症状の出かたが変わります。

🔍 症状の見分け方(現場で使えるチェック)

  • 「片側の上も下も動かない」→ 末梢性(顔面神経の障害) を疑う(例:ベル麻痺、外傷、手術による損傷など)

  • 「片側の下半分だけ動かない」→ 中枢性(脳梗塞など) を疑う

  • その他に同時に出る症状:言葉が出にくい・手足の麻痺・めまい・意識障害などがあれば脳梗塞の可能性が高いので、即受診を!

覚えておきたい合言葉:顔の片側が急に動かない+腕が動かない/言葉がおかしい → すぐ救急へ(FASTの考え方に準じます)。

🦠 顔面麻痺で起こりうる“二次的な困りごと”

  • まばたきがうまくできない → 角膜(目)が乾いて傷つく

  • 口が閉じられない → 食べ物がこぼれる/飲み込みにくい(誤嚥リスク)

  • 味覚や唾液の分泌障害(顔面神経の鼓索枝の障害)

  • 感情表現が乏しく見える → 対人関係や気分に影響

これらは本人も家族も気づきにくいことが多いので、気づいたら早めに専門職(医師・言語聴覚士・理学療法士等)に相談を。

🛠️ リハビリ・ケアでできること(マヒリハ流の実践ポイント)

① 目のケア(最優先)

  • まばたきができないときは人工涙液(点眼)や眼軟膏を使い、角膜保護を行う。夜は眼帯や保湿ガーゼを検討。
    (※点眼・眼帯の使用は眼科または担当医の指示で)

② 表情筋トレーニング(毎日のルーティンに)

  • 「おでこを引き上げる」「大きく笑う」「口で風船をふくらます」など、ゆっくり丁寧に反復。

  • 鏡を見ながら行うと視覚フィードバックが入りやすく効果的です。

③ 意識付け+機能訓練の組合せ

  • 電気刺激(FESやNMES)を使い、筋肉の収縮と「自分で動かす意思」を組み合わせると脳への学習効果が高まります(医療機関での適応評価が必要)。

④ 機能回復が難しい場合の代償・環境整備

  • 食事時の姿勢、こぼれ防止の食器、会話補助の工夫などで生活の質を守る。

ご高齢の夫婦

⚠️ 受診の目安(すぐに救急受診が必要なケース)

  • 顔の麻痺に手足の麻痺や言語障害が合わさるとき

  • 麻痺が急に出現したとき(数分〜数時間で出た)
    これらは脳梗塞のサインであり、早期治療が機能予後に直結します。

🧩 よくあるQ&A(簡潔に)

Q. 顔面麻痺は治るの?
A. 原因と重症度によります。末梢性(ベル麻痺など)は比較的回復しやすいことが多く、中枢性(脳梗塞)は回復に時間がかり、リハビリと早期介入が鍵です。

Q. 電気を流すリハビリは有効ですか?
A. 状況によって有効。筋収縮を促し脳への感覚フィードバックを強めるため、専門家のもとで適切に使うことで改善に寄与します。

Q. 自宅でできることは?
A. 鏡を使った表情練習、目の保護(点眼)、食事の工夫、そして早めの専門相談が重要です。

まとめ — マヒリハからのメッセージ

顔の麻痺は「見た目」の問題だけではなく、食べる・見る・話す・表現するという日常の根幹に関わります。原因の鑑別(中枢か末梢か)は治療方針を大きく左右するため、急に出た症状は迷わず医療機関へ。その後は専門チームと一緒に、目の保護、機能訓練、生活の工夫を組み合わせていきましょう。

もし「顔の動きが気になる」「食事や目のことで困っている」などあれば、マヒリハでも評価・リハビリ・生活支援のご相談を承っています。まずはお気軽にご連絡ください🌿

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