【認定理学療法士監修】「性格が変わったように見えるのはなぜ?」

ブログ監修者

脳梗塞Labo マヒリハ 柏の葉店店長 原田 涼平理学療法士 認定理学療法士(脳卒中)

脳梗塞Laboマヒリハ柏の葉店店長の原田です。地域でお困りになっている方や不安を感じている方を一人でも多く救えるよう、保険外だからこそできる量と質を担保したリハビリを行っております。リハビリをご希望の方はお気軽にご連絡ください。

「性格が変わったように見えるのはなぜ?」

脳卒中後に起こる“社会的行動障害”を理解するために

こんにちは!マヒリハの原田です🌞

「怒りっぽくなった」
「ささいなことで泣いたり怒ったりする」
「前は穏やかだったのに性格が変わってしまったみたい…」

脳卒中後のリハビリで、家族の方から最も多く聞く声のひとつです。
でも、これは“性格の問題”ではなく、脳の障害による高次脳機能障害の一種なのです。

今回は、感情のコントロールが難しくなったり、怒りっぽくなったりする
「社会的行動障害」について、マヒリハらしくわかりやすく解説します。

🧠 社会的行動障害とは?

脳梗塞や脳出血などの脳の損傷によって、
感情・思考・行動を状況に合わせて調整する力が低下してしまう障害です。

つまり、「わかっているのに抑えられない」「つい言ってしまう」「感情が爆発してしまう」——
そうした行動の背景には、脳の機能的な変化があるのです。

😡 感情のコントロールの低下

状況に合わせて感情を抑えることが難しくなり、些細なことで怒ったり泣いたりします。

  • スーパーの列で待てず、大声で怒鳴る

  • 注意されているのに笑ってしまう

マヒリハのアプローチ

  • 感情が爆発しそうなときは、まず「距離」をとることが大切。

  • 本人が落ち着ける空間や時間を確保し、怒りのきっかけ(トリガー)を減らす工夫を。

  • 気分転換できる“安心ルーティン”を一緒に見つけていきましょう。

👶 依存・退行

大人であっても、子どものような甘えや行動が出ることがあります。

  • 小さな子ども相手に本気で怒る

  • 疲れたときに駄々をこねる

  • 「できない」「やって」と他者に頼りきり

マヒリハのアプローチ

  • 年齢に見合った役割や行動を少しずつ再獲得するサポート。

  • 小さな成功体験を積み重ね、「自分でできた!」という感覚を取り戻します。

理解すること

🔁 固執

一度決めたことにこだわり、他人の意見を受け入れにくくなることもあります。

  • 効率的な方法を提案しても「自分のやり方」で続けてしまう

マヒリハのアプローチ

  • 無理に変えようとせず、「今は一旦休んで次に試してみよう」と切り替えのタイミングを支援。

  • 目的を「やり方」ではなく「達成」にフォーカスします。

💬 共感性の低下

他人の気持ちを感じ取りづらくなり、相手を不快にさせる発言をしてしまうことがあります。

  • 空気を読めずに場にそぐわない発言をする

マヒリハのアプローチ

  • 本人が自覚しにくい症状なので、信頼関係のある人から具体的に伝えることが重要。

  • 「ダメ」ではなく「こう言った方が伝わりやすいよ」と伝えるようにしましょう。

💸 欲求コントロールの低下

衝動的に行動してしまうケースもあります。

  • 衝動買いを繰り返す

  • ギャンブルで全財産を使ってしまう

マヒリハのアプローチ

  • 家計簿や行動記録をつけて「可視化」することが第一歩。

  • 一緒に「お金を使う前に考える時間」を作り、振り返り習慣を整えます。

😞 意欲・発動性の低下

何かを始めるエネルギーが湧かず、ぼーっと過ごしてしまうこともあります。

  • 一日中横になっている

  • 声かけがないと食事や行動が始められない

マヒリハのアプローチ

  • 1日のスケジュールを一緒に立て、“やる気スイッチ”が入りやすい流れをつくります。

  • できたことは必ず褒め、少しずつ行動を自発的に引き出します。

🌧 抑うつ

「何もしたくない」「気持ちが重い」など、うつ症状を併発することもあります。

マヒリハのアプローチ

  • 睡眠・食事・活動リズムの再構築をサポート。

  • 必要に応じて精神科や心療内科と連携し、安心して相談できる環境を整えます。

聞く

🚫 反社会的行動

まれに、社会的なルールを逸脱した行動が見られることも。

  • 万引き・暴言・性的な言動

マヒリハのアプローチ

  • 周囲が毅然とした態度を取り、行動を止める。

  • 感情的に叱るより、「それはやってはいけない理由」を具体的に説明します。

🧩 評価・検査の一例

  • 適応行動尺度検査

  • S-M社会生活能力検査

  • 生活場面での観察評価

こうした評価を通じて、リハビリでは「どんな環境や支援があれば、その人が社会で安心して過ごせるか」を一緒に考えていきます。

💬 まとめ 〜“わかっていても抑えられない”という現実〜

社会的行動障害は、本人も家族もつらい障害です。
「性格が変わった」ように見えても、それは脳の障害による**“見えない後遺症”**。
怒りや涙の裏には、本人の苦しさや戸惑いが隠れています。

マヒリハでは、

  • ご本人・ご家族が安心して相談できる環境づくり

  • 感情コントロールや生活支援のリハビリ
    を通じて、日常を取り戻すお手伝いをしています。

もし「最近怒りっぽい」「どう接すればいいかわからない」と感じたら、
まずは一人で抱え込まずにご相談ください。

📱 マヒリハLINE公式でも随時ご相談を受け付けています。
小さな不安でも構いません。ご連絡お待ちしております。

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