マヒリハの佐藤です🌞
「今の歩き方は私に合っている?」
「なんか動きにくくなってきて、方法が分からなくなってきた」
脳梗塞ラボマヒリハをご利用の方からこのような質問を受けることがあります。
入院中のリハビリではどのように動作を行うか説明を受けた中で、方法を確立させてきたのではないかと思います。
退院前には動作定着を図るためにも積極的な動作練習を経験したことがある方は多いのではないでしょうか。
しかし、退院後に身体の状態が常に一定という訳ではありません。退院後に身体が良くなったり、悪くなったり…
それに伴い、入院中に教えてもらった動作方法が良くも悪くも身体に合わなくなることがあります。
そこで今回は、「歩行動作」を中心にそれぞれの身体の状態に適した動作方法を解説していきます!
動作を考える上で大事な5要素
まずは、歩行動作に限らず「動作全般」で大事な要素を整理してみましょう。
そして、この視点は我々セラピストが常日頃行なっている「動作観察」の時にも根幹をなす部分になります。
①「安全性」
その動作が転倒などに繋がらず、安全に行えるか
②「安定性」
ふらふらと不安定なく動作は行えているか
その動作は朝・昼・晩など時間帯が変わっても一貫して行えているか
③「迅速性」
動作開始から終了までに要する時間は長すぎないか
④「耐久性」
動作中に休憩のために中断が必要かどうか
1つの動作をどれだけ続けることができるか
⑤「社会性」
外観など見た目はどうか
以上の5点を基本としてどの要素が長けているのか、欠けているのかを全体チェックしています。
どのように歩く?歩行動作の種類について
歩行動作を分類すると、以下のようになります。
「支持物は必要?」
① 手すりや物を使用する伝い歩き
② 杖などの歩行補助具を使用(=4点杖やT字杖、歩行器など)
③ 完全独力で歩く(=独歩)
「歩行時の足を出す順番は?(=歩行様式)」
① 3動作歩行
常に杖か足の2点で支持している歩行様式
② 2動作歩行
杖と足を同時に出して2点と1点で支持する歩行様式
歩行動作の難易度
①「支持物の有無」
例えば、補助具への支持量が大きければ、難易度は低い
支持量が小さくなる(使用しなくなる)と、難易度は高い
どの程度の補助が必要か、という点で難易度が変化します。
②「歩行様式」
例えば、支持している箇所が多ければ多いほど、難易度は低い
支持する箇所が減っていく(最終的には独歩)と、難易度は高い
どれだけの支持箇所が必要か、という点で難易度が変化します。
ここに歩行速度や歩行環境などの条件が加わることでさらに難易度は変化していきます。
自分の身体状態と歩行能力に乖離が生まれる?
さて、はじめにお話した通り、人間の身体は常に一定ということはありません。
例えば、その日の調子であったり、経過上の変化などが存在します。
もちろん退院後にリハビリを積み、動作能力が向上して
「杖がいらなくなった!」
「トイレまで余裕が出る程度に速くなった!」
となるケースは素晴らしいことですよね。
ただ、個人差がありますので動作能力の向上に難渋するケースもあると思います。
それに加えて、知らず知らずのうちに動作能力に変化があり、気づいた時には「転倒してしまった…」となるケースも少なくありません。
自分の歩行動作をチェック!
そこで今回は、自分の身体の調子をチェックする方法を紹介します。
セルフチェック式で以下の項目にチェックマークがある方は
1度ご相談いただければと思います。
- いつもと同じように動いているが、動きにくくなった
- 歩いている最中や歩いた後に、何故か手足に力が入ってくる
- 肩や足などに痛みが出てきた
動作を構成する5要素のうち「安全性」「安定性」「耐久性」「迅速性」が身体に変化が生じた際に影響を受けやすく、
判断しやすいかと思います。このようなサインを見逃さずに体から発する信号を捉えることができれば、動作能力向上や維持につながることでしょう。
特に感覚が分かりにくい方は自分では気にしていなかったが、知らず知らずのうちに…というケースはあります。
その場合は、第3者の目で客観的な状態把握の必要性が高いかと思います。
早期発見することで早期に軌道修正することが可能です。
身近な方からみて、
「ちょっと動きが変わってない?」
「これは良くなってるの?悪くなってるの?」
といったお悩みも多くいただいておりますので、
そちらも1度ご相談いただければと思います!