脳卒中の再発率は高い!
脳卒中を発症した方は、「また脳卒中になるんだろうか…?」と不安になることも多いかと思います。
特に、脳梗塞を起こした患者さんは再発しやすく、発症後1年で10%、5年で35%、10年で50%の人が再発するといわれています。
脳卒中再発予防では、①原因である病気を医学的に管理すること、②薬物療法、そして③生活習慣を改善することが重要です。
退院時にも栄養指導が行われ、再発についての説明もあったかと思います。
しかし、実際に退院されても指導に即した生活ができているか不安も多いのではないでしょうか?
脳卒中発症・再発リスクの要素って何?
脳卒中(脳血管障害)には、脳の血管が詰まる脳梗塞と脳の血管が破れる脳出血、くも膜下出血があり、いずれも高血圧が最大の原因です。
高血圧は主に運動不足、過食、塩分摂りすぎ、多量の飲酒、喫煙といった生活習慣と関わりがあることはよく知られています。
今回は特に栄養素摂取と高血圧との密な関連について解説していきます!
栄養素摂取と高血圧との関連について、厚生労働省の発表した「日本人の食事摂取基準(2020年版)を下図に示しました。
こういった高血圧を発症しやすい栄養素摂取を続ける生活習慣に起因して脳卒中を発症した場合、リハビリを開始しようにもなかなか血圧などのバイタルも安定せずリハビリ開始が遅れてしまうこともあります!
入院している間はリハビリなどにも影響しないように食事指導も特に積極的に行われます。
退院後にも重要な持続的な生活習慣の改善
運動麻痺や感覚麻痺が軽度で済んだとはいえ、先に述べたような生活習慣に起因する場合は、それらを見直し改善する必要もあります。
入院中にしっかり受けた食事指導と運動指n導を退院・復帰後も継続していくことが重要です。
生活習慣病は高血圧だけに収まりません。自覚症状がでにくい脂質異常症、糖尿病もその仲間です。
高血圧と合わせて3つはサイレントキラー(沈黙の殺人者)とも呼ばれています。
再度、運動麻痺や感覚麻痺などの自覚症状が現れる頃には既に病状が進行していることが多いため、生活習慣による日々の予防も十分に鍵を握っています。
脳血管障害の発症・予防に関係する食物を簡単にまとめました。
生活習慣の改善って本当に再発を予防するの?
生活習慣、いわゆるライフスタイルの変化でそんなに脳卒中再発が予防できるの?と疑問を多く持つ方もいると思います。
脳卒中患者の方の指導はどうしても身体機能や住居環境などに目が向けられていると思われがちです。
しかし、再発を予防するための食事・運動などの生活習慣改善指導もしっかりと行われています。
また、その指導による効果の有効性についても既に報告がされています。
下の図に示すように、この報告では運動指導および減塩指導などによるライフスタイル介入で、対照群にくらべ再発率を10分の1まで抑えることに成功しています。
まとめ
一方で、きつく制限しすぎることによるストレスもかえって高血圧を促したりする可能性も否定できません。
リハビリを継続して行うために、生活習慣の改善を積極的に行うことはとても必要ですが、いきなりではなく、無理のない範囲栄養とリハビリのバランスが維持できるように、主治医や栄養士、リハビリスタッフなどにも相談して最善を得るように進めていきましょう!!