【認定理学療法士監修】〜筋トレ・トイレで「やってはいけない」を知れば、脳出血の再発リスクはぐっと下がる〜
ブログ監修者

脳梗塞Labo マヒリハ 柏の葉店店長 原田 涼平理学療法士 認定理学療法士(脳卒中)
脳梗塞Laboマヒリハ柏の葉店店長の原田です。地域でお困りになっている方や不安を感じている方を一人でも多く救えるよう、保険外だからこそできる量と質を担保したリハビリを行っております。リハビリをご希望の方はお気軽にご連絡ください。
🔥 力むな危険!
〜筋トレ・トイレで「やってはいけない」を知れば、脳出血の再発リスクはぐっと下がる〜
こんにちは、マヒリハの原田です🌞
「トイレで踏ん張らないでね」「力を入れすぎない運動にしてね」と医師から言われた経験、ありませんか?
でも多くの方は「どうして力むと良くないの?」と疑問に思っているはずです。今回はその疑問に専門家の視点で答えます。筋トレや排便で脳出血は“再発する可能性がある”のか、具体的にどうすれば安全に日常や運動ができるのかを、マヒリハ流にやさしく・実践的にまとめました。
🧭 まず結論(忙しい人向け)
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脳出血の最大の危険因子は 高血圧。急激な血圧上昇が血管破裂につながる。
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「いきみ(腹圧をかける行為)」は短時間でも血圧を上げるため、強く長くいきむのは避けるべき。
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筋トレ中に呼吸を止める(=いきむ)は危険。運動は呼吸を続けて行い、力を入れるタイミングで息を吐く(=スーッ・フー)が基本。
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日常では、排便は「短く・弱く」、運動は「呼吸を止めない」を意識すれば再発リスクは下がる。
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もちろん、個別の薬(抗凝固薬など)や心血管の状態がある人は必ず主治医と相談を。

❓ なぜ「いきむ」と危ないのか?仕組みをシンプルに
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いきみ=腹圧上昇:横隔膜と腹筋を強く収縮させることで腹内圧が急上昇します。
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腹圧上昇 → 一時的に心拍数や血圧が大きく変動(上昇)します。
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血管に脆弱部(損傷・動脈瘤)があると、急激な圧変動で破裂し得る。
→ 要するに「短時間でも強く・長く力むとリスクが出る」んです。
研究では、たとえ15秒のいきみでも「いきみの強さに応じて血圧の変動が大きくなる」と報告されています(今井ら,2011)。また、高血圧は厚生労働省も主要因としています(e-ヘルスネット)。
🚽 トイレ(排便)での具体的注意点 —「短く・弱く」が鉄則
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姿勢を整える:足を台に乗せて深いスクワット相当の姿勢を作ると便が出やすく、腹圧を強くかけずに済みます。
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時間をかけすぎない:長時間トイレに座り続けるのはNG。出ない時は一度立って落ち着く。
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いきむときは短く弱く:長時間のいきみは避け、短い力で数回に分ける方が安全。
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便秘対策:食物繊維・水分・適度な運動で便を柔らかく。必要なら医師に便軟化剤や下剤の相談を。
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薬の確認:抗凝固薬や抗血小板薬を飲んでいる場合、出血リスクが変わるため排便で心配があるなら必ず医師へ相談。

💪 筋トレ・運動の注意点 —「スーッ・フー」を習慣化しよう
呼吸ルール(基本)
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力を入れる(収縮する)ときに息を吐く(=フー)。
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戻すときに息を吸う(=スー)。
→ これで「呼吸を止める=いきむ」ことを防ぎ、血圧急上昇を抑えます。
実践しやすいコツ
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回数を数えながら動く(例:1でスー、2でフー)で呼吸が止まりにくい。
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重量は軽め〜中等度を選び、フォーム重視。無理に重さを増やさない。
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レジスタンストレーニングは「短時間・頻度を上げる」方が安全(例:軽めの負荷で回数多め)。
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有酸素運動(歩行・自転車・水中運動)は高血圧管理に有効。ゆっくり始めて徐々に時間を伸ばす。
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運動中に胸痛・めまい・異常な息切れがあれば即中止し、医師に相談。
具体メニュー例(医師許可あり・安全第一)
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椅子に座ったままのレッグエクステンション:10–15回×2–3セット(呼吸を止めずに)
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立位でのミニスクワット(椅子に軽く触れる補助あり):10回×2セット(麻痺側も意識)
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10〜20分の低〜中強度有酸素(分割可):毎日を目標
⚠️ 注意:薬や疾患で個別差あり
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高血圧治療中の方は、血圧の上がりやすさに個人差があります。
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抗凝固薬(ワルファリン・DOAC等)を服用中の方は出血リスクの観点からも、いきみや激しい力みは慎重に。
→ いずれも運動プログラムやトイレ対策は 主治医と相談してから 進めてください。
🧾 まとめ(覚えておくべき2ポイント)
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排便の“いきみ”は「短く・弱く」。姿勢と便秘対策で腹圧を減らそう。
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筋トレは「呼吸を止めない(スーッ・フー)」。力を入れるときに息を吐く習慣をつけて、急激な血圧上昇を防ごう。
これらは「再発を完全にゼロにする魔法」ではありませんが、日々の“小さな習慣”の積み重ねが高血圧によるダメージを減らし、再発リスクを下げてくれます。
📌 参考(本文で触れたもの)
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厚生労働省 e-ヘルスネット(生活習慣病と高血圧)
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今井美香 他, 「排便時における怒責圧が循環系に及ぼす影響」, 日本看護技術学会誌, 2011
では今日も「スーッ・フー」で安全に動きましょう🌿
マヒリハの原田でした。
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