【脳卒中リハビリ 体幹の重要性】体幹は非麻痺側にも影響が大きいのはなぜ?

こんにちは!

マヒリハの佐藤です🌞

脳卒中(脳梗塞・脳出血)後のリハビリで体幹が弱いと理学療法士に言われたことがある方はいませんか?

脳卒中後の方は、体幹が弱くなることにより、筋緊張が高くなる方や、バランスが取りづらい方が多いです。

そこで今回は、なぜ脳卒中後の方は体幹が弱くなってしまうのかを解説します!

麻痺側と非麻痺側の関係

脳卒中(脳出血、脳梗塞)を発症された場合、出血や梗塞部位とは反対側に麻痺の症状がみられます。

これは運動に関与する神経が脳(延髄)で交差しているからです。

しかし神経によっては、交差しないものもあり発症された脳と同側への影響も考えなければいけません

麻痺側(発症部位と反対側)

右脳で脳出血や脳梗塞を発症すると、反対側である左腕や足に運動麻痺の症状がみられます。

これは、脳幹という部位で運動指令を筋肉へ伝え、体を動かす神経が交差(錐体交差)しているからです。

この交差する神経は主に腕や足の動きをコントロールするものです。

現在の脳卒中へのリハビリにおいて腕や足の動きを改善するために、体幹や姿勢コントロール、姿勢制御などの言葉が多く使われています。

人の動作において体幹部分だけでの動きはなく、腕や足の動きに伴い体幹の活動がみられます。

では、体幹を動かしている神経はどのようになっているのでしょうか?

非麻痺側(発症部位と同側)

先ほどの腕や足は発症部位とは反対側に麻痺の症状が見られますが、体幹は非麻痺側である発症部位と同側に麻痺の症状が見られやすくなります。

これは、体幹のコントロールを司る神経が、同側に多いことが理由です。

特に体幹や近位部・中枢部(肩や股関節周辺)は、非麻痺側の姿勢コントロールに影響が生じやすくなります。

マヒは非麻痺側に影響が出るといいますが、実際では麻痺側の体幹の低緊張も同時に見られることが多いです。

理由としては大きく2つあり、①体幹は両側性活動であること、②麻痺側の腕や足の影響を受けていることが挙げられます。

麻痺側体幹の低緊張の理由

まずは①体幹は両側性活動であることについて説明していきます。

体幹筋である腹部の筋肉は外見上は、左右に分かれていますが筋活動としては常に両側性(左右同じように)に活動しています。

神経学的に、体幹は非麻痺側への症状が大きくなりますが両側性のため麻痺側の体幹部分にも同様の症状がみられます。

そして②麻痺側上下肢の影響を受けている。

体幹と手足の活動は完全に分かれているわけではなく、動きの中で連動しています。

リハビリでは体幹が安定することで、上下肢が動かしやすくなる側面と腕や足が動くことで体幹筋の活動が高まる2つの見方ができます。

特に後者の腕や足が動くことで、その動きを安定させる働きが体幹に生じます。

しかし上下肢に運動麻痺が見られることで、腕や足から体幹の活動を高めることが難しくなり①の両側性活動とあわせて麻痺側体幹の低緊張、低活動が生じてしまいます。

そのため特に体幹の活動は、両側性に活動させることに重点をおいてリハビリしていくことが大切になります。

まとめ

脳、神経系のメカニズムの一部を切り取ると非麻痺側の影響もありますが、体全体の活動として捉えると麻痺側の低緊張や低活動が見られることが多いです。

体幹から腕や足、腕や足から体幹の両側面でのリハビリを展開していくことで、より体幹の両側性活動を高めながら上下肢の運動麻痺へアプローチしていくことができます。

マヒリハでは、体幹に着目し、より効率の良い動作を獲得できるよう個人に合わせたオーダーメイドのリハビリを提案しています。

わからないことや困っていることがあればマヒリハへご相談ください。