【認定理学療法士が監修!!】脳卒中と便秘の関係性とは!?

こんにちは!

マヒリハの佐藤です🌞

脳梗塞、脳出血を発症してから便秘になった、というお話をよく聞きます!

また、パーキンソン病の代表的な後遺症の一つに便秘があります。

このように、中枢神経障害と便秘には何らかの関係がありそうです。

そこで今回は、便秘について解説していきます!

正常な便秘とは

食事によって摂取された食べ物は、食道から胃、小腸から、大腸へと移動していきます。

最初はドロドロ状態である内容物は、移動する際に消化吸収されだんだんと固形物になっていきます。

大腸で水分吸収された固形の便は、すぐに排泄されるわけではありません。大腸の中のS状結腸という場所ででしばらく待機しています。

そこに食事などによって便量が増えて刺激が加わると、直腸へ便が移動し、通常なら便意を感じるようになります。

そして、肛門から便が排出されます。

便意を我慢する

便を我慢する仕組みです。

便が出る肛門周辺には、不随意筋の内肛門括約筋と随意筋の外肛門括約筋があります。

直腸に便が到達し、一定内圧まで達すると、排便中枢が刺激され便意を感じます。

同時に副交感神経が刺激されて不随意筋である内肛門括約筋は弛緩します。

しかし、そのままでは反射的に便が出てしまうため、随意筋である外肛門括約筋を意図的に働かせ、便意を我慢することができます。

便秘とは

便秘は、3日以上排便がない状態、または毎日排便があっても残便感がある状態と、日本内科学会が定義しています。

ただ、便が出ないだけでなく、便に行っても少ししか出ず、すっきりしないという状態が続くことも便秘とされています。

便秘の種類は①機能性便秘②器質性便秘③症候性便秘④薬剤性便秘の4つがあります。

便秘の種類によって治療方法も異なってきます。自分の便秘はどの便秘に分類されるのか理解しておくことは必要です。

①機能性便秘

最も多いタイプの便秘です。性別、生活習慣、加齢などの影響を受け、大腸の動きが悪くなってしまう事が原因です。機能性便秘はさらに3つに分類することができます。

・弛緩性便秘 (大腸の運動機能が低下する)

大腸の腸管の緊張が緩んでしまい、蠕動運動(便を直腸へ運ぶ動き)が十分に行われないため、大腸内に便が長い時間とどまってしまいます。

よって便の水分が過剰に吸収されて硬くなってしまい、出にくくなります。

食物繊維の不足、運動不足、腹筋力の低下、生活習慣の乱れが理由となる事があります。

・痙攣性便秘 (大腸が過緊張してしまう)

副交感神経の過度な興奮によって、大腸の蠕動運動がうまくいかなくなる状態です。

便の通過に時間がかかり過ぎてしまうため、ウサギのフンのようなコロコロとした便になりやすくなります。

自律神経のバランスが崩れており、精神的ストレスが大きく関係しています。

・直腸性便秘(直腸に便がたまる)

便が結腸から直腸に移動すると、排便中枢を刺激して便意を感じますが、その反応がなく、直腸内に便がたまってしまうために起こる便秘です。

高齢者や寝たきり、神経の感度が鈍っている人がこの便秘になる傾向にあります。

②器質性便秘

胃、小腸、大腸、肛門に何らかの疾患があり、器質的変化を起こし、それが原因となって便秘になっている状態です。

大腸がんや、炎症性腸疾患などがあります。

③症候性便秘

全身疾患に伴って、神経系の異常、ホルモン分泌の異常などが起こり、蠕動運動が弱くなって便秘になります。

甲状腺機能低下症、副甲状腺機能亢進症、糖尿病、自律神経疾患、脳血管障害、パーキンソン病などがあります。

脳梗塞や脳出血の便秘の原因の一つにあげられます。

④薬剤性便秘

薬による副作用における便秘です。

喘息や頻尿、パーキンソン病の薬である抗コリン薬は大腸の蠕動運動を抑えるため、副作用で便秘になることがあります。

抗うつ薬や咳止めなども同様に便秘の原因となります。

脳梗塞と便秘

脳梗塞になると便秘になってしまう人がいます。

それには2つほど影響していると考えています。

① 症候性便秘

脳梗塞によって中枢神経の異常が起きてしまうと、場合によっては膀胱直腸障害がおきてしまいます。

膀胱直腸障害とは自分の意思で尿や便ができなくなってしまう状態です。

排便をコントロールする運動神経が障害されたり、便意を感じる反射が障害されたりするため、排便をうまくコントロールできなくなってしまいます。

② 弛緩性便秘

一番多いタイプの便秘ですが、こちらは運動不足も関係しています。脳梗塞になり、運動麻痺が残ると、以前と同じような行動が出来なくなってしまいます。そのため、腸の働きも低下してしまい、便秘の原因となります。

便秘薬の種類

便秘薬の種類には大きく分けて2つあります。

よく「薬を飲むと癖になる」と信じてしまい、処方されてもやめてしまう方がいます。

確かに、薬がと出ない、薬に耐性ができてしまうということはあります。

しかし、便が出ないことによるリスクを考えると、症状があるうちはきちんと使用することをお勧めします。

① 刺激性便秘薬

ない

大腸に働きかけ、蠕動運動を即して便の流れをよくしていきます。

センナ、ダイオウ、アロエといった生薬や、ビサコジル(商品名コーラック)は刺激性の下剤になります。急性の便秘薬として即効性があり重要な薬です。

一方で慢性的な便秘に対して毎日使用するような使い方はしません。

② 非刺激性便秘薬

便に作用して便の質をコントロールすることで排便を即していきます。

便に水分を集めて便を柔らかくする浸透性と、便の食物繊維を増やし、水分を吸収して便を大きくして出しやすくする膨張性があります。

浸透性便秘薬の代表的なものは酸化マグネシウムで、多くの市販薬に使用されています。

まとめ

今回は便秘について、便通の事を含めて記事にしました。

便がでない原因には様々な理由があります。自分がどの便秘の部類に属しているのかによって、対処法も変わってきます。

まずは適切な診断を受ける事が大切です。

ブログ監修者

脳梗塞Labo マヒリハ 柏の葉店店長 原田 涼平理学療法士 認定理学療法士(脳卒中)

脳梗塞Laboマヒリハ柏の葉店店長の原田です。地域でお困りになっている方や不安を感じている方を一人でも多く救えるよう、保険外だからこそできる量と質を担保したリハビリを行っております。リハビリをご希望の方はお気軽にご連絡ください。

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