【認定理学療法士が監修】反張膝を各関節ごとに詳しく解説!!
こんにちは!
マヒリハの佐藤です。
今回は以前配信した反張膝をもっと細かく説明していきます!
以前の配信はこちら
脳卒中の後遺症として、立位や歩行時に膝が伸びすぎる、伸びきってしまう状態を反張膝(バックニー)といいます。
膝が伸びきってしまうことで、膝関節がロックしスムーズな曲げ伸ばしが困難になります。
そこで今回の記事では、反張膝の原因を股関節、膝関節、足関節、体幹に分けてご紹介していきます。
1.股関節
立位や歩行でお尻が退けることで骨盤~大腿骨(太もも)も後ろへ引かれます。
特にお尻が引けやすいのは、立脚中期~後期(歩行中、片足に体重が乗っている時期)です。
立脚中期~後期にかけて股関節は伸展(足が後ろに動く)します。
しかし、股関節前面の硬さや伸展の活動が弱いことで股関節が伸ばせずに曲がってしまうことで反張膝が生じます。
このお尻が退けて股関節が曲がる姿勢でも、体を伸ばそうとすると腰を反ることになります。
この腰の反りが腰痛に繋がることもあります。
2.膝関節
実際に反張膝という現象を指している膝ですが、一般的に言われているのは大腿四頭筋の弱さです。
大腿四頭筋は膝を伸ばすための主動作筋です。
この大腿四頭筋がタイミングよく、そして力強く活動するためには大腿部の裏にあるハムストリングス(膝を曲げる筋肉)が柔軟であることが必須です。
筋肉は骨の前後、左右同士で活動が相反しています。
一方が活動すれば、もう一方は活動が弱まります。
力が入りづらい部位は必ず反対の硬さをストレッチなどで取り除いてから、動かす練習をしてください。
膝でもう1つ原因となるのが大腿四頭筋の弱さにより反張膝が生じた結果、膝の中にある靭帯が硬くなることです。
膝の靭帯はいくつかありますが、重要なのは後十字靭帯という靭帯です。
靭帯は骨の動きを制限してくれる組織です。
後十字靭帯はすねの骨が後ろに行き過ぎるのを止めています。
反張膝ではこの後十字靭帯が常に緊張している状態ということになります。
靭帯と筋肉の関係性は、①筋腹、➁腱、③靭帯の順番に活動することが望ましいとされており、靭帯が常に緊張していると筋肉の活動を低下させることが考えられます。
靭帯の緊張を軽減させることで、筋肉が活動しやすい状態になります。
3.足関節
最後に足関節(足首)ですが、先ほどの立脚中期~後期歩行中、片足に体重が乗っている時期)にかけて背屈~底屈(足首が上へ向いている状態から、下へ向いている状態)へと動きます。
特に立脚中期や立位姿勢での背屈制限(踏み込めない、足首が硬い)されることで脛の骨が後方へ傾き反張膝となります。
背屈制限は筋肉の硬さだけではなく、つま先でつっぱってしまうことでも生じるので「踏み込む」ということを意識して足首を動かしてください。
4.体幹
反張膝の一番大きな問題とされているのが、体幹の弱さです。
インナーマッスルと言われる体幹部の弱さがあることにより、骨盤が前傾(前に傾く)し、腰椎進展(反り腰)のような姿勢になってしまいます。
骨盤が前傾すると、膝を過度に伸ばす方へ力が加わってしまうため、反張膝を助長させます。
まずは、体幹を強くすることが反張膝改善の一歩に繋がります!
まとめ
今回は反張膝について各関節ごとに起こりえる原因を紹介しました。
原因が1つではなく複合的に生じることもあるので注意してください。
症状としては膝ですが足や体全体を見ることも重要ですので、反張膝でお困りの方はまずは専門家に診てもらい、リハビリをすることが一番です。
反張膝でお困りの方がいましたら、ぜひ麻痺リハへ一度ご来店ください。
ブログ監修者
脳梗塞Labo マヒリハ 柏の葉店店長 原田 涼平理学療法士 認定理学療法士(脳卒中)
脳梗塞Laboマヒリハ柏の葉店店長の原田です。地域でお困りになっている方や不安を感じている方を一人でも多く救えるよう、保険外だからこそできる量と質を担保したリハビリを行っております。リハビリをご希望の方はお気軽にご連絡ください。
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