こんにちは!マヒリハの原田です🌞
「糖尿病と診断されたけど、脳卒中と関係があるなんて知らなかった…」 「血糖値が高いと、なぜ脳梗塞や脳出血になりやすいの?」
糖尿病は、今や国民病とも言われる身近な病気ですが、実は脳卒中の非常に大きなリスク要因の一つであることをご存知でしょうか。血糖値が高い状態が続くことで、気づかないうちに血管が傷つき、ある日突然、脳卒中を引き起こす可能性があるのです。
今回は、なぜ糖尿病が脳卒中に繋がるのか、その危険な関係性とメカニズム、そして大切な体を守るための予防法について、専門家の視点から分かりやすく解説していきます。

トピック1:そもそも「糖尿病」とはどんな病気?
糖尿病は、血液中の糖分(血糖値)が正常な範囲を超えて、常に高い状態になってしまう病気です。 通常、食事で摂った糖分は、膵臓から分泌される**『インスリン』**というホルモンの働きによって、エネルギーとして細胞に取り込まれます。しかし、糖尿病になると、このインスリンがうまく働かなくなるため、血液中に糖分が溢れてしまうのです。
トピック2:なぜ危険?糖尿病と脳卒中の深い関係
血糖値が高い状態が続くと、私たちの体、特に「血管」に大きなダメージを与えます。
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血液がドロドロになり、血管が詰まりやすくなる(脳梗塞のリスク) 高血糖は血液の粘度を高め、いわゆる「ドロドロ血」の状態を引き起こします。これにより血栓(血の塊)ができやすくなり、脳の細い血管を詰まらせてしまうことで、脳梗塞のリスクが格段に高まります。
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血管が硬く、もろくなる(脳出血のリスク) 糖尿病は、血管の壁が厚く硬くなる**『動脈硬化』**を強力に進行させます。動脈硬化が進んだ血管は弾力性を失い、非常にもろくなるため、血圧の変動などに耐えきれずに破れてしまうことがあります。これが脳内で起これば、脳出血となります。
つまり、糖尿病は脳梗塞と脳出血、両方のリスクを同時に高めてしまう、非常に危険な状態なのです。
トピック3:肥満が招く「インスリン抵抗性」とは?
糖尿病のリスクを高める大きな要因の一つに「肥満」があります。なぜ肥満が良くないのか、その鍵は先ほど登場した『インスリン』にあります。
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インスリンの働き インスリンは、細胞の表面にある「レセプター(鍵穴)」に、鍵のようにカチッとはまることで、細胞のドアを開けて血糖を中に入れます。
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肥満になると… 肥満になると、この「レセプター(鍵穴)」の数が減ってしまったり、鍵穴自体が詰まってしまったりします。そのため、インスリン(鍵)がたくさんあっても、細胞のドアを開けることができず、血糖が血液中に溢れてしまいます。 この状態を**『インスリン抵抗性』**と呼びます。インスリンへの抵抗が強まっている状態、つまり「インスリンが効きにくくなっている状態」です。 このインスリン抵抗性は、糖尿病の一歩手前の危険信号と言えます。
トピック4:糖尿病の診断基準と「境界型」
インスリン抵抗性が続くと、血糖値はさらにコントロールが難しくなり、やがて糖尿病と診断されます。一般的に、健康診断などでは以下の項目がチェックされます。
- 空腹時血糖値
- HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー): 過去1〜2ヶ月の血糖値の平均を反映する指標。
これらの数値が基準を超えると「糖尿病型」と判定されます。 また、基準値には達しないものの、正常よりは高い状態を**「境界型糖尿病(糖尿病予備群)」**と呼びます。この段階でも動脈硬化は進行するため、早期の対策が非常に重要です。
トピック5:脳卒中を予防するために!今日からできる4つの対策
糖尿病やその予備群と診断された方も、まだ大丈夫と安心している方も、脳卒中という取り返しのつかない事態を避けるために、今日から生活習慣を見直しましょう。
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バランスの取れた食事 野菜や海藻、きのこ類をたっぷり摂り、魚や大豆製品も積極的に食べましょう。甘いジュースやお菓子、脂っこい食事は控えめに。食べる順番を「野菜→タンパク質→炭水化物」にすると、血糖値の急上昇を抑えられます。
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定期的な運動 まずは1日30分程度のウォーキングから始めてみましょう。運動は、体重管理に役立つだけでなく、インスリンの効きを良くする効果も期待できます。
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禁煙と節度ある飲酒 喫煙はインスリンの働きを悪化させ、動脈硬化を強力に進行させます。アルコールの飲み過ぎも禁物です。
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定期的な健康チェック 年に一度は必ず健康診断を受け、ご自身の血糖値やHbA1cの数値を確認しましょう。 早期発見・早期対策が、あなたの未来を守る鍵です。

【まとめ】 今回は、糖尿病と脳卒中の危険な関係性について解説しました。
糖尿病は、自覚症状がないままに進行し、気づいた時には血管をボロボロにしてしまう、サイレントキラー(静かなる殺し屋)とも呼ばれる怖い病気です。そして、そのダメージは脳の血管にも及び、脳卒中という深刻な事態を引き起こす大きな要因となります。
健康的な生活習慣を心がけ、定期的にご自身の体をチェックすること。それが、糖尿病を予防し、ひいては脳卒中のリスクからご自身を守るための、最も確実で効果的な方法です。
もし、ご自身の健康状態や生活習慣に不安がある方、また、脳卒中後のリハビリでお悩みの方がいましたら、ぜひ私たちマヒリハにご相談ください。あなたの健康な毎日を、専門家の視点からサポートさせていただきます。