【認定理学療法士監修】脳卒中後の肩の痛み、自己管理でここまで変わる!

ブログ監修者

脳梗塞Labo マヒリハ 柏の葉店店長 原田 涼平理学療法士 認定理学療法士(脳卒中)

脳梗塞Laboマヒリハ柏の葉店店長の原田です。地域でお困りになっている方や不安を感じている方を一人でも多く救えるよう、保険外だからこそできる量と質を担保したリハビリを行っております。リハビリをご希望の方はお気軽にご連絡ください。

【今日からできる】脳卒中後の肩の痛み、自己管理でここまで変わる!

こんにちは!マヒリハの岡田です。

脳卒中の後遺症の中で、地味につらいのが「肩の痛み」。
「動かしてないのにズキズキ痛む…」
「着替えのときにビリっと痛くて怖い…」
そんな悩み、ありませんか?

今回は、脳卒中後の肩関節痛を自分でうまくコントロールするためのセルフケアについて、誰でも今日からできる工夫をまとめてお届けします。

そもそも、なぜ脳卒中後に肩が痛くなるの?

脳卒中で片麻痺が起こると、肩の筋肉の働きが低下し、重たい腕を支えきれなくなってしまいます。

その結果…

  • 肩関節がずれやすくなる(亜脱臼

  • 肩の周囲の腱や靱帯が引き伸ばされて痛む(インピンジメント

  • 動かし方が悪くて関節に負担がかかる(使い方の誤り

などの原因で、肩の痛みが生じます。

つまり「肩そのものが壊れているわけではなく、使い方や姿勢が原因で痛みが出ている」ことが多いんです。

【自己管理1】正しい姿勢で肩を守る

まず大前提として、「肩の位置を整えることが痛みの予防・軽減につながります」。

おすすめのセルフチェックポイント:

  • 座るとき:肘をきちんと肘置きに乗せる
  • 寝るとき:肩が前に落ちないよう、バスタオルやクッションで支える
  • 立っているとき:麻痺側の腕がぶら下がっていたら、ストールや三角巾で一時的に吊る

特に就寝時のポジショニング(楽な姿勢づくり)はとても重要です。夜間の不良姿勢が、翌朝の痛みに直結することもあります。

【自己管理2】無理のない範囲で“動かす”こと

「痛いから動かしたくない」…その気持ち、よく分かります。
でも、ずっと動かさないのも逆効果。関節が固まってしまい、ますます痛みが強くなります。

そこでおすすめなのが「他動運動」や「他者介助での動き」。

例えば…

  • 麻痺側の肘を反対の手で支えて、ゆっくり肩を前に出す

  • 痛くない範囲で、円を描くように小さく回す運動をする

  • お風呂上がりに、あたためながらストレッチを行う

ここで大切なのは、「痛みが出ない範囲で、気持ちいい程度に」ということ。無理に大きく動かす必要はありません。

注意点

【自己管理3】冷やす?あたためる?使い分けのコツ

肩の痛みには、「炎症性の痛み」と「こわばりによる痛み」の2種類があります。

  • ズキズキ、ズーンとした痛みが続いているとき冷やす(アイスノンなど)

  • 動き出すと痛い、朝が特に痛いあたためる(カイロやお風呂など)

痛みのタイプによって、温冷の使い分けをすることで痛みのコントロールがしやすくなります。

【自己管理4】日常生活での“使いすぎ”を防ぐ

意外と多いのが、「動かせないはずの肩を“無意識に使ってしまっている”」ケースです。

たとえば…

  • 椅子に座ったまま、麻痺側の腕をぶらーんとさせてる

  • 麻痺側の腕を下げたまま歩いて、腕が引っ張られている

  • お風呂やトイレで腕を持ち上げすぎている

こうした“うっかり使い”が、実は肩の痛みを悪化させる最大の原因になることも。

  • 肘は常に「支える」意識
  • 服の着替えは麻痺側の腕から通す→脱ぐときは反対から
  • 介助されるときは「肩を持たないで」とお願いする

この3つだけでも、肩にかかる負担はグッと減ります

【自己管理5】気持ちのケアもリハビリのうち

最後に忘れてはいけないのが、「不安や焦り」が痛みの感じ方を強くするということ。

「このまま動かなくなったらどうしよう」
「リハビリ頑張ってるのに、何で良くならないの?」

そんな時こそ、自分を責めず、“今できること”に目を向けることが大切です。

たとえ1cmでも動くようになった。
昨日より痛みが少し減った。
今日は5分長く座っていられた。

そんな小さな変化を、「できた」と受け止める力が、自己管理のいちばんの土台になります。

ご高齢の夫婦

まとめ|肩は“ケアすることで変わる”関節です

脳卒中後の肩の痛みは、「治らないもの」ではありません。
正しい知識と日々のちょっとした工夫で、痛みは軽減し、動きやすくなります。

  • 守る姿勢を作ること

  • 動かすときの順序と範囲を守ること

  • 無意識の負担を減らすこと

  • そして、気持ちに余白をもつこと

この4つの柱を意識して、“肩のケアは、生活の一部”にしていきましょう。

「まだ痛いけど、少しずつやってみようかな」
そう思ってもらえたら、うれしいです。

困ったときは、リハビリの専門家にいつでも相談してくださいね。

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