こんにちは！マヒリハの岡田です！

「最近、なんだか歩きにくい…」

「言葉がもつれることがあるけど、歳のせいかな…」

原因がはっきりしない体の不調、特にふらつきや話しにくさを感じているなら、それは「散発性脊髄小脳変性症」という病気のサインかもしれません。

この病名はあまり聞き慣れないかもしれませんが、遺伝とは関係なく、誰にでも突然起こりうる神経の難病の一つです。

ご自身やご家族に思い当たる症状があり、不安を抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

この記事では、散発性脊髄小脳変性症とはどのような病気なのか、主なタイプや診断方法、そして現在の治療や支援について、専門的な情報を分かりやすく解説します。

正しい知識を得ることが、不安を和らげ、次の一歩を踏み出すための第一歩です。

散発性脊髄小脳変性症とは？

遺伝とは関係なく、一人ひとりに突然発症する脊髄小脳変性症の総称です。家族歴がなく、明確な遺伝子変異も認められないケースが該当します。

主な疾患タイプ（代表的な散発性SCD）

1. 多系統萎縮症（MSA：Multiple System Atrophy）

日本で最も多い散発性のタイプで、以下の2つに分類されます：

MSA-C（小脳型）

• 小脳萎縮が主で、ふらつき、構音障害（ろれつが回らない）などの運動失調が中心
• 日本ではMSAの約80%がこの型

MSA-P（パーキンソン型）

• 手足のこわばり、動作緩慢、震えなど、パーキンソン病に似た症状
• 海外ではこちらが多い傾向

共通の特徴

• 自律神経症状（立ちくらみ、排尿障害、便秘、発汗異常など）
• 進行性であり、数年〜10年以上かけて徐々に悪化

2. オリーブ橋小脳萎縮症（OPCA：Olivopontocerebellar Atrophy）

• 小脳、橋、延髄（オリーブ）といった脳幹の萎縮
• 運動失調、嚥下障害、発語障害などを中心に進行
• 遺伝性のOPCA（例：SCAの一部）もありますが、散発性も存在

3. 皮質性小脳萎縮症（CCA：Cortical Cerebellar Atrophy）

• 小脳の皮質（外層）が徐々に萎縮
• 歩行障害、姿勢制御困難、眼振などが見られる
• 自律神経症状は比較的少ない

診断方法

診断方法には以下のものなどがございます。

• 神経学的診察（運動失調、反射異常など）
• MRI検査：小脳や脳幹の萎縮パターンの確認
• 自律神経検査：血圧、心拍、排尿機能などの評価
• 遺伝子検査：遺伝性疾患の除外

治療と支援

治療と支援には以下のようなものがございます。

対症療法

• パーキンソン症状：Lドーパなどの薬物治療（効果は限定的）
• 自律神経症状：降圧剤、排尿薬、便通改善薬など
• 睡眠障害や嚥下障害にも個別対応

リハビリテーション

• 運動機能維持のための理学療法・作業療法
• 発話・嚥下障害には言語療法

福祉・支援制度

• 身体障害者手帳の取得
• 難病医療費助成制度（厚生労働省の指定難病）

今後の研究と展望

現在、MSAのバイオマーカー研究が進行中です。また、幹細胞治療やRNA干渉療法など、新たな治療法の開発が期待されています

まとめ

散発性脊髄小脳変性症は、まだ解明されていない部分も多い複雑な病気です。

しかし、診断技術や対症療法、そしてリハビリテーションは日々進歩しており、様々な支援制度も整えられています。

もし、あなたやあなたの大切な方が、「もしかしたら…」と感じる症状に悩まされているなら、

 決して一人で抱え込まず、まずは神経内科などの専門医にご相談ください。 

正しい診断を受けることが、適切な治療やサポート、そして心の安定への第一歩となります。

私たちマヒリハでは、脊髄小脳変性症の直接的な治療は行えませ。

しかし、診断後のリハビリを通じて、残された機能の維持・向上、日常生活動作の改善、

そして何よりもご本人とご家族のQOL（生活の質）を高めるためのお手伝いをさせていただいております。

病気と向き合い、希望を持って一歩一歩進んでいくために、どのようなサポートが必要か、一緒に考えさせていただければ幸いです。

不安なこと、知りたいこと、どんな小さなことでも結構です。お気軽にご相談ください。

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