マヒリハの佐藤です🌞
「怒りっぽくなりました」「あんなに細かいこと気にして怒ったことないのに」「ずっとイライラしています」
「性格が変わったみたいで」「怒っていたのに急に涙声で依存してくる」
脳卒中後の後遺症でご家族からこんな声を聞くことがあります。
高次脳機能障害は目に見えない障害であり、携わっているご家族様や、近しい人に負担がかかってしまう後遺症です。
そこで今回は、怒りっぽくなる、イライラしていることが多くなり、感情のコントロールが低下する「社会的行動障害」について紹介します!
社会的行動障害とは
脳梗塞や脳出血などの脳の損傷によって起こります。行動や言動、感情を状況に合わせてコントロールすることが困
難となる高次脳機能障害です。
症状例と対策
< 感情のコントロールの低下 >
状況に合わせた判断ができず、感情を抑えることができない。
【例】
「スーパーのレジ待ちに並んで待ってられず大声で怒鳴る」
「怒られている最中に笑ってしまう」
【対策】
本人と距離を置く。
怒りやすいエピソードやきっかけは、おさえ怒りにくい環境を作る。
リラックス出来ること、楽しみなどを気分転換として用意する。
< 依存、退行 >
子供っぱくなる、すぐに頼る。
【例】
「小さな子供相手でも本気で喧嘩をしてしまう」
「疲れたり希望が叶わなかった時に幼稚な行動をとる」
「自分でやろうとせずに甘えてしまう」
【対策】
年齢にふさわしい行動を促す。
同じ年齢の方と行動しふさわしい行動を見せる。
小さな目標を立て、取り組みうまくできた時は褒める。
< 固執 >
こだわりが強く意見を聞かない。
同じことをいつまでも続ける。
自身の能力以上の仕事を望み、与えられた仕事を取り組めない。
【例】
「効率の良いやり方を指示しても自身で決めたやり方で作業を続ける」
【対策】
日にちを変え、気持ちの切り替えをする。
こだわりの内容を棚上げし、達成することを目的とする。
< 共感性の低下 >
相手の立場や気持ちを考えることができない
【例】
「場の空気を読み取れず、合わない発言をする」
【対策】
本人は気づきにくいため、信頼関係を築いている人に
具体的な注意を促してもらう。
< 欲求コントロールの低下 >
我慢ができない、お金を使い切ってしまう。
【例】
「衝動買いを頻繁にしてしまう」
「ギャンブルで持っているお金を使い切ってしまう」
【対策】
家計簿をつけて、お金の使い方をわかるようにする。
行動をノートに記し振り返りをする。
< 意欲、発動性の低下 >
何をしたらいいのかわからず、指示をされないと行動できない
【例】
「1日中、寝転んでぼーっとしている」
「箸を持たせてもらわなければ食事を始めない」
【対策】
スケジュールを立て、行動パターンを決める。
目標を立て、やる気を起こす。
< 抑うつ >
憂鬱な気分が続きやる気が出ない
やるべきことがあっても行動に移せない
【例】
「復職後、やる気が出ない」
「単純なミスが続く、遅刻や欠勤が増える」
【対策】
生活リズムの確認、専門医への相談、安心できる人と定期的に面会する
< 反社会的行動 >
社会の的倫理に反する行動をとってしまう
【例】
「盗み」「セクハラ」
【対策】
周囲が断固とした態度をとり、防ぐ。
検査
・適応行動尺度検査
・S-M社会生活能力検査
・生活場面観察評価