脳梗塞・脳出血から半年以上たって始めたリハビリ、歩行はどう変わった?7名の記録|認定理学療法士監修

ブログ監修者

店長 原田 涼平(理学療法士)と認定理学療法士認定証

脳梗塞Labo マヒリハ 柏の葉店店長 原田 涼平理学療法士 認定理学療法士(脳卒中)

脳梗塞Laboマヒリハ柏の葉店店長の原田です。地域でお困りになっている方や不安を感じている方を一人でも多く救えるよう、保険外だからこそできる量と質を担保したリハビリを行っております。リハビリをご希望の方はお気軽にご連絡ください。

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この記事のまとめ

発症から半年以上経ってマヒリハに通い始めた7名の、歩くことの記録をまとめました。ご来院頻度は週1回が5名、週2回が2名です。7名のうち6名は、通い始めて3か月以内に、ご本人が挙げた最初の目標に届いています。変化には個人差があります。200メートルを歩く時間が、通い始めの9分から6分になった人、練習で歩ける距離が80メートルから150メートルになった人がいます。

この7名は、2026年にご来院いただいた方のうち、「同じように悩む方の励みになれば」とブログへの掲載を許可・協力してくださった方々です。改めて貴重な記録をご提供いただいた皆様に心より感謝申し上げます。

ご来院された7名は、どんな状態だった?

7名が来院されたのは、発症から6か月後が2名、7か月後が1名、1年2か月後、1年半後、3年後、12年後がそれぞれ1名です。病名は脳出血が4名、脳梗塞が3名でした。来院されたときの状態を図1にまとめました。

図17名が来院されたときの状態

60代女性脳出血発症から6か月週2回

屋内は大きい四点杖と装具で、見守りがあれば歩ける。屋外は車いす

60代女性脳出血発症から6か月週1回

屋内は四点杖と装具で、体に触れる介助があれば歩ける。屋外は車いす

30代男性脳出血発症から7か月週2回

屋外はT字杖と装具で一人で歩ける

60代男性脳出血発症から1年2か月週1回

四点杖と装具で、見守りがあれば歩ける。屋外は車いす

50代女性脳梗塞発症から1年半週1回

T字杖と装具で一人で歩ける

80代男性脳梗塞発症から3年週1回

屋内は四点杖と装具で見守り。外で歩ける距離が200メートルから80メートルに減っていた

60代男性脳梗塞発症から12年週1回

屋外はT字杖と装具で、体に触れる介助があれば歩ける。屋内は装具をつけて伝い歩き

オレンジの札は、ご来院頻度です。

麻痺の程度は、中等度が6名、軽度が1名です。7名のうち4名は、来院時、屋外では車いすを使うか介助が必要な状態でした。来院時には、歩くときに転ばないか気になる、という声も聞かれました。

最初の目標に届くまで、何か月かかった?

ここでの「最初の目標」とは、検査の点数ではなく、利用者様ご自身が挙げられた「できるようになりたい動作」のことです。数えているのは、その動作に届いた時点です。たとえば次のような動作です。

  • 施設の入口から部屋まで、四点杖と装具で歩いて来る(週1回・3か月)
  • 外でも歩く練習ができる(週1回・2か月)
  • 装具をつけずに、家の中を伝い歩きする(週1回・4か月)

最初の目標に届いた時期は、2か月が1名、3か月が5名、4か月が1名でした(図2)。7名のうち6名は、3か月以内に最初の目標に届いています。

図2最初の目標に届くまでにかかった月数(●ひとつが1名)

●
●●●●●
●
1か月
2か月
3か月
4か月
5か月
6か月

4か月かかったのは、発症から12年たっていた60代の男性です。装具をつけずに、家の中を伝い歩きできるようになりました(週1回・4か月)。なお、 装具を外すかどうかは、担当の療法士や主治医と相談して決めることです。 ご自身の判断で外すと転倒の危険がありますのでご注意ください。

歩く距離と時間は、どう変わった?

歩くことについて、数字として記録が残っているデータを図3に並べます。

図3歩く時間と距離の、初回の記録と6か月後杖をついて歩く人のイラスト

200メートルを歩く時間60代男性・発症から1年2か月/週1回

初回9分
6か月後6分

駐車場までの往復360メートル同じ方/週1回

初回25分
6か月後15分

練習で歩ける距離80代男性・発症から3年/週1回

初回80メートル
6か月後150メートル

「初回」は、通い始めてすぐの時期に計った記録です。時間は短いほど、距離は長いほど良い変化です。

このほかに、40分かけて400メートルを休まずに歩けた方(60代女性・発症から6か月/週2回・6か月)、屋外を杖なしで500メートルほど安心して歩けるようになった方(30代男性・発症から7か月/週2回・4か月)がいらっしゃいます。

1年2か月たってから来院された60代の男性は、当初屋外では車いすでした。3か月後に来店の途中から200メートルを歩いて来られるようになりました。この区間を歩く時間は、最初の9分から、6か月後には6分になっています。

歩く速さが大きく変わった人ばかりではありません。80代男性の150メートルは、以前歩けていた200メートルにはまだ届いていません。それでも、減っていた距離が、増える方向に変わりました。

発症から半年以上たってマヒリハに来院された理由

来院時に伺った理由(複数回答。内容は当院で要約)を図4にまとめました。最も多かったのは、それまでのリハビリの量や内容についてで、5名が挙げられました。

図4来院された理由(7名・複数回答)

それまでのリハビリの量や内容

5名

この先の生活への不安

3名
  • 訪問リハビリに加えて、練習の量を増やしたい
  • 次に目指す目標をはっきりさせたい
  • 退院してからリハビリの量が減った

次に多かったのが、この先の生活への不安で3名でした。

  • 退院したものの、今後どうしていけばよいか分からなかった
  • この先も同じように歩いて生活できるか不安になった

また、自費リハビリという選択肢を人から教えてもらって初めて知ったという方(介護タクシーの運転手さんから聞いた等)もいらっしゃいました。

保険のリハビリに問題があるという意味ではありません。制度上の回数や時間に決まりがある中で、体力づくりや生活の支えを担っています。マヒリハに来た方が求めていたのは、 「次に何を目指すか」を一緒に決める場でした。 

研究では、半年以上たった人の変化はどう報告されている?

発症から6か月以上たった人を対象にした15の試験(合計700名)をまとめた研究では、理学療法を受けた人たちは、受けなかった人たちより、歩く速さが秒速0.05メートル速く、歩ける距離が20メートル長いという差がありました(Ferrarelloら 2011年)。差は大きくありませんが、半年を過ぎても変わらないわけではないという結果です。

今回ご紹介した7名の記録は学術研究ではなく、当院に通われ目標を達成された方のうちブログ掲載にご協力いただいた事例の集計です。 同じ回数と期間で全員に同じ変化が起きると保証するものではありません。 麻痺の重さ、年齢、発症からの時間によって進み方は異なります。

退院後のリハビリをいつまで続けるか、保険の期限や判断基準については「脳梗塞のリハビリは退院後いつまで続ける?保険の期限と、やめどきの決め方」にも詳しくまとめています。

今日からできること3つ

1. いつも歩く区間を1つ決めて、時間を計る
「玄関から門まで」「家の前の電柱から次の電柱まで」など、毎回同じ区間にします。月に1回計ってノート等に書いておけると良いです✍️

2. 歩いて行けるようになりたい場所を、1つだけ決める
「トイレまで」「玄関から門まで」「近所の店まで」のように、毎日の生活の中の場面から選んでみましょう。「これだったらもう少し頑張ればできるかもしれない」という難易度がおすすめです。

3. いま受けているリハビリの担当者に、目標を伝える
「3か月後に、ここまで歩けるようになりたいです」と伝えると、練習の中身を合わせてもらいやすくなります。

ご家族ができること

時間を計る係をお願いします。歩くことに集中しているご本人は、時計を見る余裕がありません。なお、見守りや介助が必要な方は、一人で歩く練習をさせないようご注意ください。

 歩く練習は、すぐ支えられる位置で見守ってあげてください。 先回りして手を貸しすぎると、ご本人が自分で歩く場面が減ってしまいます🙆

マヒリハと保険リハビリの違い

脳梗塞Labo マヒリハは、千葉県柏市若柴(柏の葉キャンパス・KOIL GARDEN 2階)にある、介護保険外(自費)のリハビリ施設です。脳卒中のまひや、パーキンソン病などの神経難病の方が対象で、ご希望に応じて整形外科疾患の方にも対応します。

認定理学療法士が在籍し、手と足の両方に対応。介護保険のリハビリで筋力づくりを続けながら、神経の働きに着目したリハビリを上乗せします。役割が違うため、併用される方が多くいらっしゃいます。施設でのリハビリに加え、ご自宅・ご入所施設への訪問も承ります。

よくある質問

Q. 発症から何年もたっています。今から始めても変わりますか。
A. マヒリハには、発症から3年たって通い始めて練習で歩ける距離が増えた方、12年たって通い始めて装具をつけずに家の中を伝い歩きできるようになった方の記録があります。発症から6か月以上の700名をまとめた研究でも、歩く速さと距離に小さな差が出ていました。ただし、どこまで変わるかは人によって違い、いまの体の状態を見てからでないと言えません。

Q. 半年以上たってから始めた人は、週に何回通っていますか。
A. この記事で紹介した7名は、週1回が5名、週2回が2名でした。週1回の5名のうち4名は、3か月以内に最初の目標に届いています。

Q. 変化が出るまで、どのくらいかかりますか。
A. 人によって違います。掲載にご協力いただいた7名の記録では、6名が3か月以内に、ご本人が挙げた最初の目標に届いています。歩く時間や距離の数字が変わった記録は、4〜6か月のものが中心です。全員に当てはまる目安ではありません。

Q. 介護保険のリハビリと一緒に使えますか。
A. 使えます。自費リハビリは保険の枠の外なので、介護保険のデイケアや訪問リハビリと並行して利用できます。ケアマネジャーさんにも伝えておくと、計画を合わせやすくなります。

まとめ

発症から半年以上たってマヒリハに通い始め、掲載にご協力いただいた7名は、週1〜2回で、6名が3か月以内に最初の目標に届いています。歩く時間が短くなった方、歩ける距離が増えた方がいます。全員に同じ変化が起きるものではありません。まずは、いつもの区間を歩く時間を1つ計るところから始めてみてください。

あわせて読みたい
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参考文献

1. Ferrarello F, et al. Efficacy of physiotherapy interventions late after stroke: a meta-analysis. J Neurol Neurosurg Psychiatry. 2011;82(2):136-43. PubMed
(発症6か月以上の脳卒中、15のランダム化比較試験・700名のまとめ。歩く速さ0.05m/秒、距離20mの差。日常動作の差は有意でない)

2. マヒリハ柏の葉店「利用者様実績一覧」(発症から6か月以上たって来店し、目標を達成され、ご本人の同意を得て掲載した7名の集計)

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