【認定理学療法士監修】脳卒中後の肩が痛い…それ、亜脱臼かもしれません
ブログ監修者

脳梗塞Labo マヒリハ 柏の葉店店長 原田 涼平理学療法士 認定理学療法士(脳卒中)
脳梗塞Laboマヒリハ柏の葉店店長の原田です。地域でお困りになっている方や不安を感じている方を一人でも多く救えるよう、保険外だからこそできる量と質を担保したリハビリを行っております。リハビリをご希望の方はお気軽にご連絡ください。
【脳卒中後の肩が痛い…それ、亜脱臼かもしれません】専門家が語る原因と対処法
こんにちは!マヒリハの岡田です。
脳梗塞や脳出血などの脳卒中を経験された方で、「動かしてないのに肩がズキズキ痛む」「腕のつけ根が引っ張られる感じがする」そんなお悩みはありませんか?
それ、「肩の亜脱臼(あだっきゅう)」が原因かもしれません。
今回は、脳卒中後の肩関節の痛みと亜脱臼について、リハビリの現場でよく見られるパターンや対処法を、やさしく丁寧に解説していきます。
脳卒中後、なぜ肩が痛くなるの?
脳卒中後、腕や脚に麻痺(まひ)が残る方が多くいます。
特に肩の痛みは、発症から数週間以内に現れるケースも多く、約70%以上の方が経験するともいわれています。
その原因の1つが、「肩関節の亜脱臼」です。
亜脱臼ってなに?
「脱臼」とは、関節が外れてしまう状態をいいますが、「亜脱臼」は完全には外れていないけれど、骨が本来の位置からずれて不安定になっている状態を指します。
脳卒中後、肩の筋肉がうまく働かなくなり、腕の重みを支えられなくなることで、腕の骨(上腕骨)が肩の関節(肩甲骨)からずり落ちてしまうのです。
肩の亜脱臼が起こる原因
・麻痺により筋肉が緩んでしまう
・腕の重みを支える筋肉(回旋筋腱板や三角筋)が働かない
・寝たきりや座った姿勢で支えが足りない
・無理なリハビリや移乗動作中に引っ張られる
亜脱臼は、何気ない日常の動作や介助中の「ちょっとした引っぱり」でも起こりうるのです。
亜脱臼による肩の痛みのサイン
・肩を触ると「ポコッ」とくぼみがある
・肩や腕の付け根がズキズキ痛む
・麻痺側の腕を動かすときにピリッと痛む
・肘を持ち上げると肩が「ズーン」と重だるい
・眠れないほどの肩の痛みがある
こんな症状があるときは、早めに専門職(理学療法士・作業療法士・医師)に相談しましょう。
肩の亜脱臼と痛みを予防・軽減するために
① 三角巾・スリングなどで支える
肩関節が下に引っ張られないように、三角巾やスリングで腕を保持することが基本です。ただし、装着時間やフィット感には注意が必要なので、必ずリハビリスタッフと相談を。
② 正しいポジショニング
ベッド上での「寝方」や「腕の置き方」は超重要!肩が引っ張られないように枕やクッションを使って支える工夫が必要です。
③ アイシングや温熱で痛みを軽減
急性期の炎症がある場合はアイシング(冷やす)、慢性期で筋緊張が高い場合は温熱療法も有効です。ただし、医療者の判断が必要です。
④ 肩周囲の筋肉にアプローチするリハビリ
腕を動かす前に、肩甲骨を優しく動かすリハビリや、姿勢を整える訓練が重要です。麻痺側でも可能な刺激を与えることで、関節のズレを防ぎます。
よくあるNG行動【要注意!】
❌ 麻痺側の腕を引っ張ってベッドから起こす
❌ 麻痺側の手を使ってズボンを引き上げる
❌ 長時間ぶら下げたまま何もしない
❌ 寝たきりで肩が落ちたまま過ごす
「知らずにやっていた」ことで痛みが悪化する例もあります。関わるご家族や介助者の理解がとても大切です。
まとめ|肩の亜脱臼は、放っておかないことがカギ!
脳卒中後の肩の痛みや亜脱臼は、「仕方ないこと」として見過ごされがちです。しかし、放置すると慢性的な痛みや関節拘縮に発展することもあります。
ですが安心してください。正しく予防し、早めに対処することで痛みを軽減することは可能です。
「もしかして…」と思ったら、まずは遠慮なく医療スタッフに相談してみましょう。
肩の痛みは、あなたがリハビリに前向きになるためにも重要なサインです。
痛みを減らして、“自分らしい生活”へ一歩ずつ、前進していきましょう。
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