【専門家が解説】脳卒中リハビリで注目!CI療法とは?効果とやり方をわかりやすく解説

ブログ監修者

脳梗塞Labo マヒリハ 柏の葉店店長 原田 涼平理学療法士 認定理学療法士(脳卒中)

脳梗塞Laboマヒリハ柏の葉店店長の原田です。地域でお困りになっている方や不安を感じている方を一人でも多く救えるよう、保険外だからこそできる量と質を担保したリハビリを行っております。リハビリをご希望の方はお気軽にご連絡ください。

こんにちは!マヒリハの原田です🌞


今回は、脳卒中リハビリの中でも「CI療法(CIMT)」について、もう少し詳しく解説していきます。
先に「CI療法って何?」という方向けの概要をお伝えしておきますが、「もっと具体的にやり方を知りたい」「私に適用できるかどうか?」という方にも読んでもらえる構成にしています。

理解すること


CI療法(CIMT)とは?:上肢麻痺への新しい挑戦

  • CI療法は “Constraint‑Induced Movement Therapy” の略で、直訳すると「動きを制限して使わせる療法」です。

  • 上肢(腕・手)の麻痺が残った方に、「使える手」を部分的に制限し、麻痺側の手を積極的に使うように促すアプローチです。

  • 目的は、「麻痺側手の使用促進」と「機能回復の促進」です。

脳卒中後、麻痺が残っている手を「つい使わない」方向へ補償してしまうと、麻痺側の回復が抑制されてしまうことがあります。CI療法は、この“学習性不使用”を打破しようとする考え方を基にしています。

日本の「脳卒中治療ガイドライン 2021」においても、CI療法は推奨されるアプローチの一つとなっています。PMC+1


CI療法の基本ステップ:どう進めるの?

CI療法は大きく三つのフェーズに分けられます。実際の臨床では、これを柔軟に調整することもあります。

フェーズ 内容 ポイント
① 集中的な段階的練習 麻痺手を使って、意味ある活動を中心に反復練習を行う 難易度を段階的に上げていく(例:大きい物 → 小さい物、平らな机上 → 実際の場面)
② 非麻痺手を制限 起きている時間の大部分で非麻痺手を制限(たとえば手袋やミットで、90%時間など) 麻痺手の使用を強制する役割。ただし、状態により必ずしも全面的に行う必要はない、という報告もあります
③ 日常生活への転移(トランスファーパッケージ) 麻痺手を日常生活で実際に使うように計画を立てて実践 日記、自己申告、契約形式などを用いて、生活内使用を促進

具体例:
たとえば「コインを親指と人差し指で取り出す」ことを目標にするなら、

  • 最初は大きなブロックやトレーで始めて → 徐々に本物のコインに近づける

  • 机上→膝上→日常使用場面、と進めていく

ただし、研究によっては、1日6時間2週間というプロトコルでなく、1時間〜3時間程度で効果を出している報告もあるため、対象者の体力や負荷に応じた調整が重要です。


対象となる方・適応基準

CI療法を行う際の典型的な適応条件は以下のようなものです:

  • 脳卒中、脳外傷、脳腫瘍などで上肢に運動麻痺が残っている方

  • 麻痺側の手・指が「少しは動く」状態である(軽度〜中等度の麻痺)

    • 例:手首を動かす、指を少し開く・閉じることができる

    • ただし、道具操作が難しい、疲れる、うまく使えない、という方

  • 非麻痺手を過度に使ってしまい、麻痺手を使う機会がほとんどない方

たとえば、「手首や指の一部は動くけど、物をつかめない」「自己流で練習しているが痛みや姿勢崩れが起こる」といった方が、CI療法に適することが多いです。

逆に、重度の麻痺で全く手指を動かせない方では、最初は別のアプローチを併用しながら段階を踏む必要があります。


CI療法を取り入れる際の注意点・現状のエビデンス

  • 非麻痺手を拘束する方法の必要性については、報告が分かれており、全員に必須とはされていません。状況によっては制限を加えないスタイル(“改変CIMT”など)を採ることもあります。

  • 患者さんの体力、集中力、耐久性、疼痛、疲労を考慮して負荷を調整することが不可欠です。無理な負荷は逆効果になるおそれがあります。

  • CI療法の適用時期についても、急性期・亜急性期・慢性期での効果検証が行われていますが、最適なタイミングについては症例によります。

  • また、CI療法だけでなく、練習の質、フィードバック、モチベーション、生活での使い方促進(トランスファー)が成功に大きく影響します。


まとめ

CI療法(CIMT)は、麻痺側の手を積極的に使わせ、機能回復を促すリハビリ手法として非常に有望です。ただし、すべての方に適用できるわけではなく、「どのくらい動くか」「体力・集中力」「痛み・疲労の管理」などを見ながら、セラピストと相談して実施することが大切です。

もし、ご自身やご家族で「CI療法ってできるのかな?」「うちの状態で効果があるのかな?」と不安があれば、ぜひご相談ください。私たちが、一人ひとりに合わせたリハビリプランをご一緒に考えます。

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