【認定理学療法士監修】「半側空間無視」ってどんな状態?〜“見えてるのに、気づけない”世界〜
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脳梗塞Labo マヒリハ 柏の葉店店長 原田 涼平理学療法士 認定理学療法士(脳卒中)
脳梗塞Laboマヒリハ柏の葉店店長の原田です。地域でお困りになっている方や不安を感じている方を一人でも多く救えるよう、保険外だからこそできる量と質を担保したリハビリを行っております。リハビリをご希望の方はお気軽にご連絡ください。
【専門職にも伝えたい】「半側空間無視」ってどんな状態?〜“見えてるのに、気づけない”世界〜
こんにちは!マヒリハの岡田です🌞
今日は、脳卒中後の後遺症の中でもちょっと不思議で、でもとても重要な「半側空間無視」についてお話ししていきます。
✔️そもそも「半側空間無視」って?
半側空間無視(はんそくくうかんむし)とは、脳卒中などで右の脳半球(特に頭頂葉)が損傷された場合に多くみられる症状です。
端的にいうと、「見えているのに、見ていない(気づけていない)」状態。
たとえば──
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お皿の右側のご飯は食べるけど、左側は残っている
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洋服を右半分だけ着て、左半分は着忘れる
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車いすを右にぐるぐる回してしまう
このように“空間の左側を認識できない”という状態になるのです。
✔️「見えていない」のではない?!
ここがとても大切です。
半側空間無視は、視力の問題ではありません。
眼科的には“見えている”のに、注意や認知が向いていないために「気づけない」のです。
これは、いわば「注意の障害」であり、高次脳機能障害の一つです。
✔️似て非なるもの:視野障害との違い
視野障害(たとえば左同名半盲)と混同されがちですが、これは全くの別物。
特徴 | 半側空間無視 | 左同名半盲 |
---|---|---|
原因 | 注意・認知の問題 | 視覚野の損傷 |
気づき | 自覚がないことが多い | 自覚あり、振り向くなど工夫する |
補正 | リハビリによって注意が向くようになる | 視野自体は戻らないが代償可能 |
“気づけない”からこそ、危険や事故のリスクが高まるのが半側空間無視の怖いところです。
✔️リハビリではどう対応する?
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“気づいてもらう”ところから
まずは本人が「左に注意が向いていない」ことを理解してもらうことが最初のステップです。 -
視線誘導やプリズムメガネの活用
視線を左に誘導するような声かけや、プリズムレンズを使うこともあります。 -
環境設定の工夫
食事は声をかけながら左側を促す、ベッドの左側からアプローチするなどの環境調整も効果的。 -
視覚探索訓練
視覚的に左側に注意を向けるような課題(たとえば線分二等分課題、キャンセレーション課題など)もあります。
✔️“見えない”を責めない
当事者は「なぜ残しているの?」「どうしてこぼすの?」と周囲に言われて傷つくことも。
でも、それは「見えていない」のではなく、「見ていないことに気づけていない」のです。
だからこそ、リハビリでも家族の接し方でも、責めずに・丁寧に・繰り返し気づきをサポートしていくことが重要です。
✔️最後に
半側空間無視は、見えているのに気づけないという不思議な障害ですが、しっかりと対応することで改善の可能性もある障害です。
リハビリの力で、少しずつ「左側の世界」を取り戻していきましょう!
マヒリハでは、半側空間無視に対する専門的な評価・介入・環境設定のアドバイスも行っています。
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