【認定理学療法士が解説!】パーキンソン病のオンオフ現象とは!?
こんにちは!マヒリハの原田です。
パーキンソン病とは、脳の神経細胞から分泌されるドーパミンというものが不足することで起こり、体が動かしづらくなる病気です。
また、パーキンソン病になる原因は、まだはっきりわかっていないことが多く、難病(特定疾患)に指定されていますが、薬の治療によって病気の進行や症状を抑えることができるようになってきました。
しかし、きちんとお薬で治療しているのにもかかわらず、うまく症状がコントロールできないことがあります。
その原因の1つに、「パーキンソン病のオンオフ現象」と呼ばれるものがあります。パーキンソン病でお困りの方の中には、このオンオフ現象の症状でお悩みの方も多くいると思います。そこで今回は、パーキンソン病のオンオフ現象について解説していきます。
パーキンソン病とは
パーキンソン病は、ご年配の方に多く見られる病気の1つです。
そのため、高齢化社会に伴いパーキンソン病になる方は、年々増える傾向にあります。
パーキンソン病の発症に深く関係しているドーパミンは、体を動かすときに脳から指令を伝える役割があるため、パーキンソン病になると運動にかかわる働きが悪くなる症状がおこります。
主な症状は、からだの動きがスムーズにできなくなることで、手が震える、筋肉がこわばり、動作が遅くなってしまう、バランス能力が低下する、などがあります。
また、病状はゆっくりと進むため、治療を早いうちから始めることによって、病気の進行をおさえて、症状をうまくコントロールすることができます。
パーキンソン病の治療は、少なくなったドーパミンを薬で補い、症状をやわらげる薬物療法が中心となります。
パーキンソン病のオンオフ現象とは
症状が薬の効果でおさえられている状態のことをオン(ON)現象、反対に薬の効果が見られない状態のことをオフ(OFF)現象といいます。この現象こそがオン・オフ(ON-OFF)現象です。
オン・オフ現象とはしっかり服薬をしているのに、パーキンソン病の症状が、突然スイッチが切れたかのように現れたかと思うと、反対に急にスイッチが入って体がスムーズに動けるようになる現象です。
このようなパーキンソン病のオンオフ現象の原因は、「ウェアリング・オフ現象」と呼ばれるものが悪化した状態ではないかと考えられています。
ウェアリング・オフ現象とは、パーキンソン病の治療に使う代表的な薬(L-ドパ)の効果がだんだんと短くなってしまい、薬が効いている時間が短くなってしまう現象です。
このウェアリング・オフ現象は、薬(L‐ドパ)を飲みはじめてから5年くらいになると約半分近くの方に現れる症状と言われています。そのため、パーキンソン病のオンオフ現象の症状も、L-ドパの薬を長い間使用して治療をしている方に多くみられます。
パーキンソン病のオンオフ現象の症状
パーキンソン病のオンオフ現象は、お薬を飲んだ時間に関係なく起こるため、予測することが難しいです。
また、オンオフ現象の症状は、良い状態(ON)と症状が急に悪くなる(OFF)状態をくり返します。
そして、症状が出現するタイミングもわからないため、1日に何度も起こることもあれば、全くオンオフ現象が出ずに症状が落ち着いている状態が続くこともありますが、症状が悪い状態が続いてしまうこともあります。
具体的な症状としては、以下のようなことがあります。
・楽しく会話をしながら、食事をしていたにもかかわらず、突然表情がとぼしくなり、手足のふるえが出て、声が聞きとれないほど小さくなる
・うまく食べ物を飲みこめなくなる
・外出先で急に動けなくなってしまい、ころんでしまう
このようなパーキンソン病のオン・オフ現象の症状は、突然スイッチが変わるように起こるので、パーキンソン病でお困りの方や介護される方などにとっても、日常生活に大きな影響を及ぼしてしまうこともあります。
そしてこの症状はいつ起こるか分からないため、生活のスタイルやリズムもくずれてしまい、お悩みの方も多くいらっしゃると思います。
パーキンソン病のオンオフ現象の予防と対策には、いろいろな方法があります。
①薬を調整する
パーキンソン病の治療にとって大切な薬を上手に調整することで症状の改善が期待できることもあります。
最初から多量に使わないように薬の量に気をつけて調整する、飲むタイミングを変えるなどの方法があります。
また、薬の種類を変えたり、別の薬を追加する場合もありますが、薬を調整するには、主治医とよく相談することが大切です。普段のご自宅での症状を上手に主治医へお話しして、ご自分にあった薬の量や種類を主治医に相談しながら見つけることが、症状の改善につながります。
②症状をよく観察する
パーキンソン病で薬での治療が長くなってきたときには、薬の効果や症状の起こり方に変化がないか、ご自身の症状をよく観察することも大切です。
パーキンソン病のオンオフ現象が現れる前に、薬の効果が短くなってきたなど違和感を感じる時は、主治医に早めに相談し、対処するようにしましょう。
また、オンオフ現象がどのようなものか、薬での治療を長く続けると起こることだと知っていると、突然症状が起こった際も、慌てることなく対処することに役立ちます。
パーキンソン病の症状の1つであるオンオフ現象は、パーキンソン病でお困りの方にとって、日常生活や社会生活に支障が起こる辛い症状です。しかし、早め早めに対処することが、パーキンソン病のオンオフ現象の悪化の予防や症状の改善になります。
まとめ
パーキンソン病は、症状がゆるやかに進むため、病気や薬の治療とも長い付き合いになります。ご自分らしく病気や治療と向き合い、うまく症状をコントロールすることが、パーキンソン病の症状を改善すことにつながります。どうぞあきらめず、何か合った際は専門家や主治医の先生に頼ることが大切です。
ブログ監修者
脳梗塞Labo マヒリハ 柏の葉店店長 原田 涼平理学療法士 認定理学療法士(脳卒中)
脳梗塞Laboマヒリハ柏の葉店店長の原田です。地域でお困りになっている方や不安を感じている方を一人でも多く救えるよう、保険外だからこそできる量と質を担保したリハビリを行っております。リハビリをご希望の方はお気軽にご連絡ください。
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