【認定理学療法士が解説!】脳出血で麻痺はなぜ起こる?好発部位と症状、リハビリが重要な本当の理由

ブログ監修者

脳梗塞Labo マヒリハ 柏の葉店店長 原田 涼平理学療法士 認定理学療法士(脳卒中)

脳梗塞Laboマヒリハ柏の葉店店長の原田です。地域でお困りになっている方や不安を感じている方を一人でも多く救えるよう、保険外だからこそできる量と質を担保したリハビリを行っております。リハビリをご希望の方はお気軽にご連絡ください。

こんにちは! 脳梗塞リハビリ専門施設「マヒリハ」の原田です🌞

ある日突然、脳出血を発症し、半身が思うように動かなくなる「片麻痺(かたまひ)」。 ご本人にとっても、ご家族にとっても、これほど大きな不安はありません。

「なぜ、急に手足が動かなくなったんだろう?」 「出血した場所によって、症状が違うと聞いたけど…」 「この麻痺は、どうすれば良くなるんだろう?」

今回は、そのような脳出血後の麻痺に関する根本的な疑問にお答えします。 この記事では、**脳出血が起こりやすい場所(好発部位)**と、麻痺が起こるメカニズムについて、専門家の視点から分かりやすく解説していきます。


脳出血とは?(脳梗塞との違い)

 

まず、「脳卒中」とは、脳の血管に異常が起こる病気の総称で、「脳梗塞(のうこうそく)」と「脳出血(のうしゅっけつ)」などに分けられます。

  • 脳梗塞: 脳の血管が詰まる病気
  • 脳出血: 脳の血管が破れる病気

今回は、この「血管が破れる=脳出血」について、詳しく見ていきます。

 

【出血部位で症状が変わる】脳出血の好発部位ベスト5

 

脳出血は、脳のどこで出血したかによって、現れる症状が大きく異なります。ご自身の症状がどのタイプに関係しているか、照らし合わせてみてください。 以下は、脳出血が起こりやすい場所(好発部位)のランキングです。

第1位:被殻(ひかく)出血 脳の深い部分にある被殻という場所からの出血です。最も頻度が高い出血部位です。

  • 主な症状: 出血した脳と反対側の手足の麻痺(片麻痺)、感覚障害(しびれなど)、言葉がうまく話せない(失語症)、顔面の麻痺など。

第2位:視床(ししょう)出血 感覚情報を中継する「視床」という場所からの出血です。

  • 主な症状: 半身の感覚障害が強く出ることが特徴です。しびれや、触れるだけで激痛が走る「視床痛」が起こることもあります。もちろん麻痺も伴います。

第3位:小脳(しょうのう)出血 体のバランスを司る「小脳」での出血です。

  • 主な症状: 麻痺は起こりにくいですが、激しいめまい、ふらつき、立てない・歩けないといったバランス障害が中心となります。

第4N位:橋(きょう)出血 脳幹の一部である「橋」という、生命維持に重要な場所での出血です。

  • 主な症状: 重い意識障害、呼吸の異常、両手足の麻痺(四肢麻痺)など、非常に重篤な症状が出やすく、生命の危機に直結することがあります。

第5位:皮質下(ひしつか)出血 脳の表面に近い「大脳皮質」のすぐ下での出血です。

  • 主な症状: 高血圧以外の原因(脳動静脈奇形など)も多く、出血した場所によって症状は様々です。麻痺、感覚障害、視野障害、高次脳機能障害など、多岐にわたります。
 このように、出血した場所によって症状が全く異なるのが、脳出血の大きな特徴です。 

 

なぜ麻痺は起こる?脳と筋肉の「伝達エラー」

 

では、なぜ脳が出血すると、手足が動かなくなったり、しびれたりするのでしょうか。 そのメカニズムを簡単に解説します。

私たちの脳は、体全体の「司令塔」です。 手足を動かす時: 脳(司令塔)から「動け!」という運動の指令が、神経(伝達ルート)を通って脊髄や末梢神経を介し、筋肉に伝わります。

手足で感じる時: 逆に、手足の皮膚などで感じた「熱い」「痛い」「触れた」という感覚の情報が、神経(伝達ルート)を通って脳(司令塔)にインプットされます。

 しかし、脳出血が起こると、この「司令塔」や「伝達ルート」の一部が壊れてしまいます。 

**運動の麻痺(動かない)**とは、脳からの「動け!」という指令が、損傷した神経ルートを通れず、手足の筋肉に届かない状態です。筋肉自体は悪くないのに、指令が来ないために動けないのです。

**感覚の麻痺(しびれる・分からない)**とは、手足からの「触れた」という情報が、損傷した神経ルートを通れず、脳に届かない、あるいは情報が混乱して「しびれ」として伝わってしまう状態です。

 

骨折と脳卒中リハビリの「決定的な違い」

 

このメカニズムこそが、脳卒中のリハビリが「骨折」などのリハビリと根本的に異なる理由です。

  • 骨折のリハビリ: 主に、骨が治った後の「弱った筋肉を鍛え直す」ことが目的です。
  • 脳卒中のリハビリ: 壊れた神経ルートの代わりとなる**「新しい神経ルートを脳に再構築させる」**こと(脳の可塑性)が目的です。
 つまり、脳卒中のリハビリは、やみくもに筋肉を鍛えるのではなく、脳に対して「正しい動き」や「正しい感覚」を繰り返しインプットし、神経の繋がりを再学習させる専門的なアプローチが不可欠なのです。 

【まとめ】

脳出血による麻痺は、筋肉や骨ではなく、脳の神経ネットワークが損傷したことによって起こります。 だからこそ、回復のためには、その神経のメカニズムに沿った専門的なリハビリテーションが何よりも大切になります。

ご自身の麻痺がなぜ起きているのか、どのようなリハビリが必要なのか、ご不安なことや困ったことがありましたら、ぜひ一度、私たちマヒリハへご相談ください。

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